親元暮らしという戦略――アコーディオン・ファミリーの時代

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000259262

作品紹介・あらすじ

成人した若者が安定した雇用に就くことができず、親元で暮らすことを余儀なくされる。長引く不況の中で、先進諸国で広がっているこの現象を、著者は「アコーディオン・ファミリー」と名付けた。アコーディオンのように、家族は蛇腹を広げて舞い戻ってきた子どもたちを受け入れ、彼らが出て行くと蛇腹を縮める。そして、成人期、高齢期のあり方も変容を迫られている…。日本、アメリカ、イタリア、スペイン、スウェーデン、デンマークの六か国で三〇〇人ものインタビューを実施し、グローバル化時代の家族の生存戦略を考察した労作。

感想・レビュー・書評

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  • パラサイト・シングルという言葉が一時よく聞かれた。失われた10年から現在のグローバリゼーションの時代に渡り、若年層の労働市場が激変している。高等教育を受けても正社員になれず、非正規雇用で食いつないでいく若者の割合が多くなっている。その避難地としてアコーディオン・ファミリーという言葉があるそうだ。独立して家賃が払えない子供が再び親の家に戻ってきているのだ。いや戻るのではなく出て行けないものも多いだろう。これは日本だけの現象ではなく先進国で同様に見られるという。弱い福祉国家の日本、イタリア、スペインがひとつの極で、強い福祉国家の北欧諸国がまたひとつの極。そしてその間にアメリカが位置しているという。息子娘の世代の生きにくさに胸がつまる。

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