- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000260268
作品紹介・あらすじ
20世紀という時代は、かつてない課題を「法」に突きつけ、多様な法思想を生み出した時代でもあった。ケルゼン、ハート、ドゥオーキンといった法思想家たちはいかにして「法の自立性」を確保しようとしたのか。また「言語論的転回」という思想史上の一大事件が法理論にもたらしたものは何か。こうした視角から20世紀法思想の流れを一つの物語のように描き出そうとする画期的な本書は、実定法解釈学への理解を深める上でも役立つ一冊となるだろう。
感想・レビュー・書評
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著者:中山竜一(法理学・法思想史)
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“20世紀は,「法」に対してかつてなかった課題を突きつけ,多様な法思想を生み出した時代でもあった.ケルゼン,ハート,ドゥオーキンをはじめとするさまざまな法理論の興亡と展開を,「言語論的転回」という視角から読み解き,概説する.憲法学など実定法解釈学の理解を深めるうえでも役立つだろう.”
【目次】
第1章 20世紀法理論の出発点-ケルゼンの純粋法学
(コラム1) ラートブルフと再生自然法論―戦後の大陸法理論(1)―
第2章 法理論における言語論的転回-ハートの『法の概念』
補論 ハート理論における「法と道徳」
(コラム2) リアリズム法学
(コラム3) 「事物の本性」と第三の道―戦後の大陸法理論(2)―
第3章 解釈的実践としての法-ドゥオーキンの解釈的アプローチ
(コラム4) ロールズ『正義論』とその影響
(コラム5) ヘルメノイティクと議論の理論―戦後の大陸法理論(3)―
第4章 ポストモダン法学-批判法学とシステム理論
補論 脱構築と正義-デリダ「法の力」
(コラム6) マルクス主義と法理論
(コラム7) フェミニズムと法理論
第5章 むすび詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。20世紀法思想を概観するに好適なテキスト。自分が学部生時代にこんな本でとっかかりを得ていたならば、もう少し苦しまずに済んだだろうなぁと思います。
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これは法解釈の歴史を学ぶ上で非常に勉強になりました。
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20世紀法思想の全体像を一つの物語として描き出す、という本書の試みは、私が見たところ、十分に達成されていたと思います。しかも、登場する法哲学者たちが立志列伝風に描かれていて、読み物としてもとても面白かったです。叙述の焦点は、「法の自立性」と「言語論的転回」と呼ばれる認識枠組みの変化に置かれているのですが、いずれも20世紀という時代状況やその知的背景を考えるうえで欠かすことのできない要素だと思いますので、その点でもとても勉強になりました。
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ポストモダン法学入門
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コンパクトにまとめられており、とてもよい。