定本 柄谷行人集〈3〉トランスクリティーク―カントとマルクス

著者 :
  • 岩波書店
3.57
  • (5)
  • (4)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 60
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000264884

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • トランスクリティーク ― カントとマルクス
    (和書)2010年08月30日 02:18
    2001 批評空間 柄谷 行人


    ・・・彼が蝶に成長するのは、流通部面においてでなければならず、また流通においてであってはならない。これが問題の条件である。さあロードス島だ、さあ跳べ・・・

    柄谷行人は根気強く教えてくれる。今回数年ぶりに再読してみて漸く理解できた部分が多い。しかしこの本は決して専門書でないということ、分かり易く根気強く書かれていることはこの本の最大の魅力でもある。

    大変良かった。未読の方にはお勧めします。

    今年、柄谷行人の新作がでるという情報がある。とても楽しみです。

    P.S.
    3回目の再読です。「世界史の構造」を読んだ後、何がどうなったのか、もう一度検証して見たかった。それに、そのXというものがどうやって見いだされ、対抗していくものになるのか、じっくり検討してみたかった。いろんな収穫があったけど多すぎて頭に入っているかどうか?最初のカントでかなりのインパクトを受けました。3回目で、逆に衝撃が上がった感じです。次もマルクスも重要なポイントが多々あって、これはこの本を絶えず参照して見ていくしかない。

    ・・・『資本論』の視点から、『法権利の哲学』を再考することである。すなわち、すでに示唆したように、資本のみならず、国家やネーションを「経済的」な構造、いいかえれば、交換の諸形態の連関としてとらえなおすことである。そのとき、この三位一体のリングからの出口が見いだされる。・・・

    「世界共和国へ」「世界史の構造」と柄谷行人さん本人が見いだそうとしている。それらの思考の結晶を読むことは非常に有益であるし、それを前提にした世界とのコミュニケーションによって国家・資本・ネーションに対抗することが可能になるように感じる。

    明日から「世界共和国」の5回目の再読、「世界史の構造」の3回目の再読をしていきたい。

    この機会に再読して理解を深めたい。

  • 了。

  •  カントとマルクス少しかじったので、前々から読もうと思っていた定本の3を読んだ。超おもろかった。トランスクリティーク。2008.6.23-(30)-7.1(9d).

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授を歴任。1991年から2002年まで季刊誌『批評空間』を編集。著書に『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(作品社 2021)、『世界史の構造』(岩波現代文庫 2015)、『トランスクリティーク』(岩波現代文庫 2010)他多数。

「2022年 『談 no.123』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柄谷行人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×