はじめての動物地理学 なぜ北海道にヒグマで,本州はツキノワグマなの? (岩波ジュニアスタートブックス)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000272476

作品紹介・あらすじ

ゾウとサイとライオンが、インドとアフリカにいるのはなぜ? コアラの祖先はアメリカ出身? 昔は本州にもヒグマがいた!?――どこにどんな野生動物がいて、その動物たちは大昔から、地球のどこをどのように移動して、今いる場所にたどりついたのか? そんな疑問に答えるのが動物地理学です。たくさんの動物を例に、紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • 動物地理学自体はとても面白いと思ったのだが、後半は外来種とか、ちょっと散漫な印象だった。
    まあ、他の本で読んだことのある内容だからそう思うのかも知れない。
    進化の本を読んだことのない人には、すごく楽しいのかも。
    ベルクマンの規則やアレンの規則を紹介するなら、フォスターの規則も紹介したら良かったのに、と思う。
    収斂進化も面白いので、もっと詳しく書いたら良かったんじゃないか。
    個人的にはちょっと物足りなかった。
    でも、中学生向きなら、これでもいいのかな。

  • 背ラベル:407-マ

  • 動物地理学か~、おもしろ。世界が地続きだったパンゲアの頃から連綿と続く生態系。ロマン溢れますな。その流れで、外来種もみんないい、みたいになるのかと思いきや、そこには人為が介入しているから、やっぱダメなのでした。写真や図表もふんだんに用いられていて、これは楽しく読める。

  • どんな動物がどこに分布しているのか。
    どう移動して現在の分布に至ったのか。
    動物地理学というのは、こういうことを考える分野だという。
    本書は、中学生をターゲットに、動物地理学のこと、そして筆者の研究分野である都市動物の話を伝えていく。

    種や進化とはどういうものか。
    地球の歴史の中での大きな環境変化の中でどのような動物や植物相の変化が起きたか。
    地球温暖化により野生動物の分布にどんな変化が起きるか。
    こういったことが、具体的な動物を取り上げながら説明されていく。
    大人が読んでも楽しい。

    大陸移動説の部分で、本筋とは外れるが、ちょっと疑問ができた。
    本書で2億5000万年前、「地球上で離ればなれになっていた大陸がパンゲアという超大陸になった」とある箇所。
    パンゲアの話は、どこかで学んだような気がするが「最初は離ればなれだった」という部分が自分の中で抜け落ちていた。
    最初からまとまって大陸が形成された、と。
    どこで勘違いが生まれてしまっていたのだろう。

    ところで、「ジュニスタ」は今回初めて読んだ。
    岩波ジュニア新書への入り口という位置づけだという。
    (ジュニア新書自体が中学生向けではないのか?)
    そのせいもあって、内容より本の作りの方についつい気持ちがそれてしまう。

    まず、薄い! 軽い!
    分量も、1~2時間で一通りは目を通すことができそう。

    が、版面がごちゃごちゃして見える。
    ちょっと読みにくかった。

    原因は、全ページの色枠。総ルビ。
    本文が二色刷りで、重要語句、フレーズが褐色の字になっているのだが、黒の太文字と色文字の分量が少し多い気がする。
    またコラムでの色文字はフォントが小さく、細く、読みづらい。
    (もっとも、これは視力の良い子どもたちなら問題ないことかもしれないが…。)

    けれど、読み進めるうちにうならされる。
    写真や図版がたくさんあるのだが、これがどれも本文の説明とぴったりの位置にあり、めくりながら読むわずらわしさがない。
    一般的な新書より字が大きいのに、よくぞこんな細かい調整を…と、ちょっと感動する。
    それから、専門用語は初出の箇所できちんと説明がある。
    そして、このサイズの本なのに、索引がある。
    何と丁寧に作られているのだろう。
    ちょっとしたことが、読書の挫折のきっかけになるということを、編集者さんはよくご存じなのだろう。

    同じシリーズの他の本ではどんな風なのだろう。
    また何かよさそうなテーマがあれば、読んでみたい。

  • 中学生向けの動物地理学の本。動物の移動と進化の歴史について分かりやすく説明してある。平易な日本語で、言葉の説明から懇切丁寧に書いてあるので、小学校高学年からでもいけそうな感じ。2時間ほどで読み切れる。しかしながら、大人の私も、なんとなく分かったつもりでいた、種の定義や、DNA、氷河期などの解説を読んで、新たな気づきがあった。ジュニアスタートブックというシリーズ本だか、まさに、ここから、興味あることを拾い出し、掘り下げていくための、始めの一歩の本という印象。

  • 海水面低下により出現した陸橋を通って、動物がダイナミックに地球規模で移動していったことが進化につながったという考えは面白かった。

  • 2023.03.08

  • なんでツキノワグマとヒグマは生息地が違うのか、とかぼんやりした疑問がちょっとスッキリした。メジャーな動物が多く取り上げられているので入りやすいし読みやすい。

  • 面白そうな本だなぁと思い手に取った。
    読後に思ったのは、面白そうな本なのになぁであった。
    なぜだか、「あぁ面白い」と感じることができなかった。不思議である。

  • 北海道のヒグマは3系統。

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著者プロフィール

1960年岐阜県に生まれる。1989年北海道大学大学院理学研究科博士課程動物学専攻修了。アメリカ国立がん研究所研究員、北海道大学助手、助教授、准教授などを経て、現在は北海道大学大学院理学研究院教授、理学博士。2019年度日本哺乳類学会賞・日本動物学会賞受賞。専門は動物地理学・分子系統進化学。
主要著書は『保全遺伝学』(分担執筆、2003年、東京大学出版会)、『動物地理の自然史』(共編、2005年、北海道大学出版会)、『哺乳類の生物地理学』(2017年、東京大学出版会)、『日本の食肉類――生態系の頂点に立つ哺乳類』(編、2018年、東京大学出版会)、『ユーラシア動物紀行』(2019年、岩波書店)、『ヒグマ学への招待』(編、2021年、北海道大学出版会)、『うんち学入門』(2021年、講談社)、『はじめての動物地理学』(2022年、岩波書店)ほか多数。

「2024年 『ハクビシンの不思議』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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