- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000280952
感想・レビュー・書評
-
イスカリオテのユダには
以前から関心がありました。
ユダの行動がなければ、
人類史上最もドラマチックな
あの出来事は起こらなかったかもしれません。
イエスの思いも成就しなかったかもしれないのです。
新約聖書の劇的な物語も、
今日まで語り継がれることはなかったかもしれませんね。
また、イエスを裏切ったのは
ユダだけではありません。
ほかの弟子たちもみな、
最後の最後、いちばん大事な場面で
師であるイエスを裏切っています。
なのにユダは、ユダだけが、
悪の権化のように蔑まれ、
最も憎まれるひとの一人となってしまいました。
どうしてでしょう?
ユダはほんとうにイエスを裏切ったのでしょうか?
それとも自らを犠牲にして
神のご意思に手を貸したのでしょうか?
ほんとうのところはわかりません。
でも、どうやらユダ=悪というイメージは、
後年創作されたもののようです。
マグダラのマリアがそうだったように。
実際ユダを聖人の列に加えようという運動もあったようですし、
イエスの弟子たちの中でも
ユダを最高位と考える聖職者もいたようです。
いずれにせよ、
ユダの果たした役割は非常に大きなものでした。
とても興味を惹かれるひとであることは間違いありません。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても軽く読める「ユダ入門」的な本。著者本人も前書きで言っているように、前著『ユダとは誰か』がユダの聖書学的考察であるのとは対照的に、この本は、聖書や小説を含む様々な「物語」の中で、ユダが文学的にどのように表現されてきたか、に重点が置かれています。「ユダ像の解釈史」といってもいいかも。ただ、聖書を解説した前半は、軽すぎて説明不足になっているので、前半部分を詳しく理解したい場合は『ユダとは誰か』を読むことをおすすめします。