研究する大学――何のための知識か (シリーズ 大学 第4巻)

制作 : 広田 照幸  吉田 文  小林 傳司  上山 隆大  濱中 淳子 
  • 岩波書店
4.40
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000286145

作品紹介・あらすじ

二〇世紀の大学は研究機能を充実させ、社会における知識生産の最大の拠点として、ドイツからアメリカへとそのモデルを変えながら発展してきた。そして現在、経済活動と強く結びつく研究に莫大な資金が投入される一方で、伝統的な人文社会科学は、その社会的意義の模索を迫られている。研究をめぐる競争的環境や知的財産権のゆくえ、研究の自由と規制、現代の「文理の壁」問題など、大学の生み出す"知"の歴史的変貌について考察し、大学という存在の「再定義」を試みる。

感想・レビュー・書評

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  • 大学における研究活動を改めて確認するために、本書を手に取った。小林の序論、菅による「研究をめぐる競争的環境」および野家による「人文学の使命」が参考になった。

    アメリカの大学について、「『公共財』としての知識を生産する特殊な存在ではなく、市場の中の通常のプレーヤーとして、研究活動を通じて「知識」という商品を生産し販売するビジネスモデルにより、収益をあげる存在なりつつある」(p.12)と小林が述べている。ここ20年で日本の研究大学も市場において「通常の」組織となるように、政策誘導されているのが、幸か不幸かその道は半ばといえる。また研究以外の機能を主とした強みとする大学群であっても、研究そのものや研究活動に関する事業に取り組む際には、背後に高等教育政策に織り込まれた科学技術政策を意識せざるを得ない状況にある。そして当該大学で行われている科学研究が、「社会のため」になっているか関心が寄せられていることも同様である。本書ではこのような説明責任について、「科学・技術研究を担っている大量の研究者」に「『届く言葉』を紡ぐという努力」(p.27)を求めている。ということは、おそらく研究者の周辺にいる職員も同じだろう。

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  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB1297226X

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  • 2014 6/11 1章をパワー・ブラウジング。
    とある書き物仕事のために手にとった本。
    激化する世界の研究競争の話・・・を期待して手に取るも、1章で扱っているのは日本の制度状況の話だった。
    期待とは違ったけれど、これはこれでなるほどな、とは。

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