グローバル・コモンズ (シリーズ 日本の安全保障 8)

  • 岩波書店 (2015年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784000287586

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プレミアム

みんなの感想まとめ

グローバル化に伴う新たなリスクの理解が求められる現代において、さまざまな視点からの分析が展開されています。感染症の章では、新型コロナウイルスの影響を受けた日本の危機管理の脆弱性が指摘され、過去の新興感...

感想・レビュー・書評

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  • それに対し、グローバル化時代の論理は異なる。そこでは、「脅威」じたいが拡散、連動、越境し、 対処どころか明確な把握すらおぼつかない「リスク」となりつつある。ここでいうリスクとは、基本的 に、将来起こりうるシナリオとして把握されうるもので、不確実かつ制御困難で、意図せざる結果をも たらす。したがって、それは明瞭な目的=手段関係を構成しにくく、その点で古典的な「脅威」とは異なっている。(序論 より引用)

  • 関心を持った章を拾い読み。
     感染症の章は、新型コロナ政府分科会委員の東北大押谷教授。本書刊行の2015年時点で過去20年の主な新興感染症を挙げているが、死亡者が最多なのが新型インフルエンザの全世界20万人なので、現在のコロナの桁外れぶりが分かる。また日本の感染症危機管理の脆弱性も指摘。一方、経済活動などの規制とのバランスという視点がないのは、筆者が医療専門家だからか、又はこれまた現在のコロナが桁外れだからか。
     中東政治の章では2011年代以降のイスラーム主義の政治化を指摘。著者の分析では、かつてのアラブ・ナショナリズムが、79年の政変動以降に利益優先志向の対外関係に変質。しかし米が関与を減らすと域内国は自ら行動を起こすようになり、また域内政治の再編のためにイスラームや宗派を正当化論理に使うようになったという。
     テロの章では、冷戦後のテロの潮流として、ナショナルからトランスナショナルへ、CBRNの使用という変化を挙げる。この流れの中で、日本のテロ対策も、従前の発生後の犯罪捜査から未然防止や事前の被害管理、また国際協力へ質的に変化しているとのこと。

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著者プロフィール

東京大学大学院法学政治学研究科教授〈国際政治、ヨーロッパ政治〉。北海道大学大学院法学研究科修士号、ベルギー・カトリック・ルーヴァン大学MA、オックスフォード大学政治学博士号。欧州共同体(EC)委員会「未来工房」専門調査員(1993)、イタリア・ヨーロッパ大学院大学ジャンモネ研究員(2000-01)、ハーヴァード法科大学院エミールノエル研究員(2001-02)、パリ政治学院客員教授(2006, 2010)、北海道大学大学院教授(2006-21)などを経て現職。著書に The Presidency of the European Commission under Jacques Delors : The Politics of Shared Leadership (Macmillan, 1999)、『原典 ヨーロッパ統合史──史料と解説』(編、名古屋大学出版会、2008年)、『統合の終焉──EUの実像と論理』(岩波書店、2013年、読売・吉野作造賞)、『欧州複合危機――苦悶するEU、揺れる世界』(中央公論新社、2016年)など。

「2024年 『ヨーロッパ統合史[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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