アパレル興亡

著者 :
  • 岩波書店
3.62
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本棚登録 : 453
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000613903

作品紹介・あらすじ

敗戦後日本の経済復興を支えたアパレル産業は、百貨店とともに輝きを放ち、誰もがあこがれる世界であった。そんな華やかなアパレルはなぜ、衰退していったのか。本作の舞台は、某大手婦人服メーカー。会社とは何かを世に問うた村上ファンドとの攻防、社長の死と後継指名、競合他社との経営統合……戦後のサクセス・ストーリーとバブル後の衰退を、虚実織り交ぜてダイナミックに描く。


■編集部からのメッセージ
アパレル産業の栄枯盛衰を辿ることは、日本の経済の移り変わりの一断面を鮮やかにに切り取ることになります。ドラマティックなフィクションでありながら、日本経済の今を、そして未来を考える際の必読書となることでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • とても興味深く最後まで堪能させてもらえた。まさに昭和〜平成のアパレル業界の栄枯盛衰を描いた作品。アパレルだけでなく、関連業界との関わり方や田谷=昭和、柳井=平成の経営手腕をうまく小説仕立てにしていて楽しめた。昭和のモーレツ社員を描いている部分が印象的だった。

  • 自分が大学を卒業し百貨店に就職して、最初に配属された売り場が婦人服のドレス・コート売り場だ。
    読み進めると懐かしさがこみ上げてくる。
    書いてある事の事象が分かるので興味深く読めた。
    当時の東京スタイルの営業の方々はどうしているのか気になる。

  • いやー、おもしろかった

    戦後70年、国内アパレル・ビジネスの変遷
    フィクションとは思わなかったけど、ブランドや人物もほぼ実名で登場しており、時代ごとの流行CMや唄が織り交ぜられ、一般的なビジネス書より数千倍楽しめた

    百貨店アパレルの大手「オリエント・レディ」を中心として、百貨店、毛織メーカー、総合商社の栄枯盛というまさに“アパレル興亡”を克明に描いてる

    百貨店バイヤーという絶対的な存在、ファッションより営業・デザインより品質を求めた軍隊体質の百貨店アパレル、カテゴリーキラーの勃興、村上ファンド…

    アパレルだけではなく、他の産業も同じストーリーがあるけれど、戦後70年間のアパレル変遷のスピードはモノスゴイ
    現在はここから5年経ってるけど、アパレルはさらに変化を遂げている

    この先アパレルはどこへ向かうのか……

  • アパレルの歴史が丁寧に紐解かれていて面白かった。人物になんとなく入り込めない感じが残念だった。

  • 小説仕立てで、アパレル業界の興亡を描く。当時の熱狂には感嘆するものの、この頃のまま何も変わらず、思考停止している現在の業界の闇も感じる

  • 「巨大投資銀行」や「格付会社」を彷彿とさせるクロニクル。著者の近作では1番楽しめたかも。アパレル業界は1番毀誉褒貶が激しかった気がするけど、雰囲気がよく伝わる。村上ファンドはいらなかったような気がする。

  • アパレル業界の栄枯盛衰が感じられる小説。相変わらずよく取材されているなと感じた。20年前就職活動で百貨店をいくつか受けたが、現在このような再編が行われるとは思わなかった。村上ファンドも登場してこんなこともあったな〜と思わせてくれる。

  • その出来事をリアルタイムで見ていて裏側までは知らなかったので久しぶりに面白かった。

  • 100冊ビブリオバトル@オンライン第21ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2020.08.22〜23

  • 戦後10年朝鮮特需で経済的復興の芽を出してきた日本において、衣食住のうち衣に焦点をあてた業界の興亡を東京スタイルをモデルとした会社を通じて描く。
    特に軍隊的な上意下達の社風がより強固になっていく結果、衰亡していく様が感慨深い。
    この会社については当時まだ珍しかった村上世彰のプロキシーファイトで知る程度だった。
    繊維会社や百貨店といった業界に関連する栄枯盛衰にも目が行き渡っており、読み応えのある作品だった。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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