回想 イトマン事件: 闇に挑んだ工作 30年目の真実

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 75
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000614399

作品紹介・あらすじ

株価上昇と地価高騰に沸くバブル経済のただなかで、中堅商社を通じ闇社会がメインバンクの住友銀行から莫大なカネをむしり取ったイトマン事件。事件発覚の発火点は、、住銀のバンカーと記者のタッグによる内部告発状だった——。日経新聞上で“スクープ”を放った記者が、告発の闘いの軌跡を詳細な日記やメモを元に語り下ろしたオーラルヒストリー。

感想・レビュー・書評

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  • 経済、不動産、株式市場、詐欺、金融と私の大好きな題材です。

    イトマン事件の全体図までは書いてないけれど、大塚記者がどうスクープしたかというのが対談形式で書かれている。
    とても知識豊富で流れを掴むのか上手な立派な記者さんだなと思いました。

    話が横道に逸れること多々ありつつ、逸話が興味深く、有名な人が沢山登場しますし、証券史や田中角栄の列島改造ブーム時代に遡ったり、東電のゴーストライターのお話まであり。
    改革すれば経済に歪みがでてしまう、日銀の利上げの慎重さなどは、いまのリアルタイムな経済に通じるものがありますね。

  • ある程度は知っているつもりの事件だったが、当事者の一部である銀行の方の情報や当時深く調査していた記者の言葉と仔細なメモに基づいた内容には深く感情移入できた。自分ならどういう行動をとったのだろうと考えさせられるし、実際こういったは取れなかっただろう。しかしフィクションかのように大手銀行、上場大手商社でこんな事が起こった事は、あらためて驚き。
    新聞の在り方にも一石を投じる内容。一種の高揚感も残った。バブルをあまり知らない世代にも是非読んでもらいたい。

  •  住友銀行秘史の國重氏と二人三脚でイトマンスキャンダルを世に送り出した大塚記者の回想記。秘史よりあとに刊行されているので突き合せて時系列を追っていくとわかりやすい。

     なぜあの事件が起きたのか。それを住友銀行がなぜ許したのか。磯田派、反磯田派の勢力争いが背景にあった、とする。

     磯田会長(当時)にも大塚記者は夜回りを何度もかけており、その反応がなまなましく描かれる。

  • 書評はブログに書きました。
    https://dark-pla.net/?p=1640

  • これは凄い!住銀が闇勢力の実質的なお財布になってしまったイトマン事件を、世に知らしめるための策略の数々に圧倒された。スクープの裏の戦い(中には自分の所属する日経新聞も)がかなり詳細に書かれていて、バブル時代のことを思い浮かべながら興奮して読んだ。

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