- Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000614948
作品紹介・あらすじ
日本とアメリカ。一見対照的な二つの国は総力戦下、多人種を統合した「帝国」へと変貌するなかで、マイノリティ動員とレイシズムの形態において奇妙な「共振」を見せてゆく。朝鮮人と日系人の排除から包摂に至る政策の変容、経験と表象をつぶさに描き出し、トランス・ナショナルな全体史へと結実させた決定的名著が待望の邦訳。
感想・レビュー・書評
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陸軍特別志願兵制度は昭和13年に公布されたというのに岩波書店が崇拝する初代が仕掛けた普天堡事件は昭和12年なのに陸軍が討伐作戦に「特別朝鮮人部隊」があったかのように書いている。この程度の「認識」で仰々しい本が書けたものだ。「天皇のページェント」と同じで結論ありきのイデオロギー先行だ。
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原著は2011年刊。日米2つの帝国、朝鮮人皇軍兵士と日系人米軍兵士を並列。総力戦の深化に伴い人的資源や国内外への宣伝のため、少なくとも軍にまつわる当局の政策としては、日米共に排除と包摂が併存、又は排除から包摂へ移行する様を指摘。著者は、排除と包摂を「粗野なレイシズム」と「上品なレイシズム」と呼ぶ。
日系人志願兵は多くはなかったことや、社会にはなお偏見が存在したことなど、社会全体が包摂的になったとまでは言いがたいが、従前は差別の面のみが強調されてきたように思うので、興味深い指摘だった。またこの点で日米の共通点を指摘することには反論もあるだろう。
特に朝鮮人青年の日本軍兵士化は、批判される「同化」とどう異なるのか、と読み進めながら感じた。しかし訳者板垣は解説で却って、この「同化」と、身分や地域を越えた明治期の日本人国民化との類似性を示唆している。 -
東2法経図・6F開架:210.75A/F67k//K