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Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784000616393
作品紹介・あらすじ
戦争は、何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ。戦争は、物語を語れたこともない。--気づかぬうちに進行する病気のように日常をずたずたにし、野心や憎しみを糧に貪欲に育つ戦争。自らも独裁政権に抗した、ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で、戦争の残酷な本質を描く。今こそ読まれるべき、衝撃的な絵本。
■訳者からのメッセージ
「戦争」とは何でしょう。何から生まれ、どう大きくなり、私たちに何をするのでしょうか。
この絵本は、短い文章とシンプルな絵で「戦争」という化けものの正体を暴いていきます。ですが、この絵本に物語はありません。「戦争は、物語を語れたことがない」からです。この絵本を手に取って「こわい」と感じる人もいるかもしれませんが、それは、作者の伝えたいことがまっすぐ届いている証拠です。
今、世界で起きていることを考えながらこの絵本を読んでほしいと思います。
■編集部より
まるで知らぬうちに進行してしまった病のように、密かに忍び寄り、瞬く間にはびこってしまうもの、それが戦争。その正体を読む人に突きつけるこの絵本は、ポルトガルを代表する文学者の父と、その息子の合作です。
父のジョゼ・ジョルジェ・レトリアは、40年にもわたるヨーロッパ最長の独裁体制に抗してきたレジスタンス音楽家であり、詩人、ジャーナリストでもあります(2024年はポルトガルで独裁体制を終わらせたカーネーション革命から、50周年にあたります。ジョゼも革命の中心人物でした)。「戦争とは何か」を考え続けてきた文学者の静かで力強い詩は、息子のアンドレによる印象的な絵と共に、戦争の残酷さや恐ろしさを暴いていきます。
淡々とした静かな印象なのにとても衝撃的で、読後にも一言では表せない余韻やしこりが残ります。不信や憎悪が連鎖する世界をどうしていけばよいのか、大切なものとは何なのか、読む人が考えてしまうような絵本です。
みんなの感想まとめ
戦争の本質を鋭く描いたこの絵本は、短い詩と印象的な絵で構成され、読者に深い考察を促します。日常を侵食する戦争の影響を、まるで病気のように静かに進行する様子を表現し、歴史を背景に持つポルトガルの文学者と...
感想・レビュー・書評
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岩波「図書」8月号に訳者木下眞穂さんの解説が載っていて、紐解いた。ポルトガルの絵本。
「戦争は、」に続く幾つかの短詩と、禍々しいイメージ絵で構成される。鼠色と褐色しか出てこない。
先ずはこの詩篇にドキッとした。
戦争は、日常をずたずたにする。
「進行していますね」と耳元でささやかれる病気のように。
←あゝ、私にはこの体験はないけど、かつての父親を見ていて、正に彼の心の中に「戦争」が進行していたのだと、まざまざとイメージを持つことができた。
「もののけ姫」の猪神がたたり神に侵されてゆくときの黒い蛇みたいなものが、大陸の林の間をずっと進んでいき、群れをなし、禍々しい鳥の導きにより、街の中の大きなビルの一室の1人の男に取り憑く冒頭。
そのあとの幾つもの詩句は、
文・ジョルジェ氏の経験から作られたものには違いない。けれども、今はウクライナやガザにもほとんど当てはまる(作られたのは2018年)のが恐ろしい。
文と絵は、ポルトガルのレトリア父子によって作られた。ポルトガルは1926年から1974年まで、48年間独裁政権下にあった。ジョルジェは無血のカーネーション革命を支えたレジスタンスだったらしい。絵は静かに始まり、やがて次々とカタストロフが進んでゆく。
司令官(?)の胸元を這い回る蜘蛛や百足や無数の虫蟲。彼が見下ろす作戦地図にも蟲が這い回り、やがて「戦争は、凶悪な顔を幾つも持つ。」として、表紙にあるような1つの顔を被って焚書坑儒を為し、マイクに向かっている。「戦争は、すべてを焼きつくす 栄光の夢を見る」と詩句は叫ぶ。
「戦争は、廃墟の町を支配するのが好きだ。」
それはもうまるで、ウクライナやガザのようだ。ーー見かけだけじゃない。こんな心を侵していく風景をも言葉にする。
「戦争は、憎しみ、野心、恨みを糧とする。」
「戦争は、何も知らない人たちの柔らかな夢に入り込む。」
「戦争は、鋼と影の子どもたちを生み出す。」
戦争は、人類が産んだ鬼子だとわたしは思う。 -
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これ読みたいと思っていたんですが、そんなに怖いんですか?((((;゚Д゚)))))))
(図書館って何故か暑いですよね笑)これ読みたいと思っていたんですが、そんなに怖いんですか?((((;゚Д゚)))))))
(図書館って何故か暑いですよね笑)2025/11/02 -
翠さん♪
大丈夫ですよ。
「なきむし せいとく」と違って、ちょっと哲学っぽく感じたんですσ(・ω・`)翠さん♪
大丈夫ですよ。
「なきむし せいとく」と違って、ちょっと哲学っぽく感じたんですσ(・ω・`)2025/11/02 -
2025/11/02
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『自らも独裁政権に抗した、ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で、戦争の残酷な本質を描く。今こそ読まれるべき、衝撃的な絵本。』
昨年4月 岩波書店から発行
好きではないよ
こんな暗い本
美しいものが何一つない
でも、現実はこんなものではないんだよねー
たくさんの方に呼んで頂きたいなあ
≪ 戦争は 廃墟の町と 沈黙だ ≫ -
ウクライナとガザの悲惨な状況を見聞きしている今、この絵本の語る事が身に迫ってくる。
戦争を始めてはならなかった。先の大戦で、終わらせる事の難しさを学んだのではなかったのか、と。原作は2018年なので、まだウクライナもガザも侵攻されてなかったが、きな臭くはあった。
「戦争は沈黙だ」ラストの言葉は警告だ。
小学校高学年くらいの人に読んでもらいたい。中高生には、世界の現状を学んで、併せて読んで欲しいと思う。
絵が内容とあっていて、より深く考えさせられた。 -
図書館本。
図書館の絵本コーナーで、目立つ所にあった本作をチョイス。
文字は最小限で戦争について表現しています。
戦争は廃墟の町を支配するのが好きだという一文が、戦争に対しての皮肉と愚かさが上手く表現されていていい。
大人向けの絵本という印象。 -
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木下眞穂 物語を語らぬ絵本[『図書』2024年8月号より] | web岩波
https://tanemaki.iwanami.co.jp/...木下眞穂 物語を語らぬ絵本[『図書』2024年8月号より] | web岩波
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/82022025/06/19
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〝しのび寄る漆黒の影、とぐろを巻く黒い大蛇の群れ、曇天の空を覆う大ガラス…「戦争は、ありとあらゆる恐怖が集まって、残忍な姿に化けたものだ」「戦争は、憎しみ、野心、恨みを糧とする」 「戦争は、鋼と影の子どもたちを生み出す」 「戦争は、轟音とカオスだ」…〟ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で、人間の業の深さが産みだした戦争の本質を描いた衝撃の絵本。
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『感想』
〇白・黒・黄色のみで描かれる絵。感情を感じない絵。見ていて気分が悪くなる。
〇これは小さい子どもに見せるのは酷な気がした。怖いことを知らせるのはよいとして、だったらどうしたらいいのか書いてあるわけでもない。近くにいる大人が言葉で解説できるようなものでもない。 -
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「戦争は、」で始まるいくつもの文章。背景色と、ほぼ黒の濃淡でで描かれた絵。
すべてのページを開くたびにぞっと背筋が寒くなる。文字のないページもあるのに、はっきりと恐ろしさが伝わってくる。森をかけるヘビとクモのようなもの。一面に居並ぶ兵士。爆弾の雨。大きな長靴だけのページなのに、それが押しつぶしているものが目に浮かぶ。
マスクをかぶり、高みに立つ人物。見えているのか?それとも見ないようにしているのか?
私が一番衝撃をうけたのは、空から雲越しに見下ろす町。そう、この構図はどこかで見た。
これを恐ろしいと思う気持ちを大切にしたい。 -
息子9歳9ヶ月
息子が喜びそうな本を、母が選んで図書館から借りてきています。時々息子リクエストの本も。読み聞かせほとんどしなくなりました。母はサミシイ。
読んだ◯
好反応◯
何度も読む(お気に入り) ◯
「また借りてきて!」「続き読みたい!」
その他
戦争は、こういうカタチでやってくる。
戦争の恐ろしさを静かで、不気味なタッチで描く作品。 -
タイトル通り、主語が戦争。
戦争状態をつくるのは人間なのだが、戦争という概念になったとたん、個々の顔は見えなくなる。
ちなみに戦争がテーマの絵本では、谷川俊太郎「へいわとせんそう 」の表現力が断トツだと思う。 -
これは子供用ではないね。戦争がどういうものかを、教えてくれる。重みのある絵本。
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戦争は,とどのページも語りかける.一面に広がる戦争の傷跡,その惨状.モノクロの世界に重い空気が漂っています.
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戦争は、何も聞かない、
何も見ない、何も感じない。
戦争は、自分がどこで恐れられ、
歓迎されるのかを、よくわかっている。
戦争は、ありとあらゆる恐怖が集まって、
残忍な姿に化けたものだ。
戦争は、憎しみ、野心、恨みを糧とする。
戦争は、何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ。
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戦争の本質をつく鋭く簡潔な言葉と全編を覆うおどろおどろしい暗い絵
ストーリーがあるわけでもなく、読んで楽しい絵本ではけっしてないけれど、子どもといっしょにじっくり味わって読みたい“不穏”で“創造的”な絵本
《自らも独裁政権に抗した、ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で、戦争の残酷な本質を描く。今こそ読まれるべき、衝撃的な絵本。》──出版社サイトより
海外で数々の賞を受賞し15言語に翻訳されている話題作の邦訳、2024年4月刊
原題“A GUERRA”
2018年刊、ポルトガルの絵本
〈この絵本を手に取って「こわい」と感じる人もいるかもしれませんが、それは、作者の伝えたいことがまっすぐ届いている証拠です。今、世界で起きていることを考えながらこの絵本を読んでほしいと思います。〉──訳者のことば
出版社サイトにある絵本制作のメイキング映像(4分20秒)もぜひ見ておきたい -
静かに忍び寄りやがて世界を覆い尽くす戦争は、憎しみ、野心、恨みを糧とする。今もやまない戦火。理不尽に踏みにじられる市民の生命。
憎しみの連鎖、理解できない為政者への恐怖を乗り越え、対話と理解、人権と平和を理性の力で実現してほしい。
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なんて恐ろしいのだろう。戦争は。
あまり触れたくない題材だから手に取るのを迷ったけど、読んでおこうと漸く思えたので読んでみた。子らが読むかは彼等に任せるけど、私は読んでよかった。よかったと言うのかわからないけど。色数の少ない絵が静かに迫ってくるよう。
気候変動や災害で、思っているより早く地球は滅亡するかもしれないのに。
戦争のない世界で子どもたちが暮らせるといいのに… -
陰鬱ながらも絵の美しさに引き込まれる。紙芝居か、大判で読みたい。
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感想 :

激しく共感します!
(゚ー゚)(。_。)ウンウン
読んでよかった。
絵本を侮るなかれですね。
激しく共感します!
(゚ー゚)(。_。)ウンウン
読んでよかった。
絵本を侮るなかれですね。
読んだんですね。
特にイスラエルの状況と、あのミミズや虫とが
あまりにも似通っている気がします。
恐ろしいです。
読んだんですね。
特にイスラエルの状況と、あのミミズや虫とが
あまりにも似通っている気がします。
恐ろしいです。