クラテュロス・テアイテトス

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000904124

感想・レビュー・書評

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  • クラテュロスー名前の正しさについてー
    雑な読み故、わからないところが多かった。
    ソクラテスは、序盤、道具はイデアを目指して作られる。とする。一方、そのものから名前が生じるとするクラテュロスへの批判では、万物流転では「そのもの」は捉えられないのでは、と。間の論理展開を追えなかったという致命傷。。

    プラトンはヘラクレスの万物流転や「運動・変化」をどのように捉えていたのだろうか。気になる。

  • クラテュロス。
    すっごい特異なソクラテス=プラトンの古典的な言語論。

    名前って何が根拠になってるの?という問いに二通りの考えがでてくる。
    全部、「慣習」なんだ、という説。
    いやいやいや、物事の「本質」を表しているんだ、という説。
    それぞれに対してソクラテスは、逆の主張をしているので、結局はどっちつかずなんだ、という解釈をしているレビューを、どこかで見たけれども、
    私が読んだ感覚だと、
    確かに名前の正しさ・根拠には、両方のことが考えられる、と。慣習ももちろんあるし、それによって本性とは逆の意味が付与されていることもあるけれども、基本的には本性を表す、ということのほうが本義だ、というニュアンスがソクラテス=プラトンにはある。

    ここではイデアということじたいは主題にはあがっていないけれども、物事の意味って何かな?と考えると、共通として導き出せるようなものがどっかあるんじゃないの?というプラトンの直感がかいま見える。

    ヘラクレイトスの説に触れた時期に書かれたようで、それを介して、なんとか考えようとっしたプラトンの姿が想像される。

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著者プロフィール

山口大学教授
1961年 大阪府生まれ
1991年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
2010年 山口大学講師、助教授を経て現職

主な著訳書
『イリソスのほとり──藤澤令夫先生献呈論文集』(共著、世界思想社)
マーク・L・マックフェラン『ソクラテスの宗教』(共訳、法政大学出版局)
アルビノス他『プラトン哲学入門』(共訳、京都大学学術出版会)

「2018年 『パイドロス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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