- Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000916127
作品紹介・あらすじ
本巻はエウリーピデースの悲劇(サテュロス劇を含む)の「断片」の中から、日本語に訳しうると判断した詩行を集めたものである。
感想・レビュー・書評
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所在:紀三井寺館1F 請求記号:991||G4||12
和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=14113
ギリシア悲劇全集、10巻から13巻までは、断片集となっています。
知らなかったのですけど、ギリシア悲劇というのはその大部分が散逸してしまっていて、この断片集というのは、パピルスのまさに「断片」からまとめられたものなのだそう。
本全集ではギリシアの三大悲劇詩人、アイスキュロス、ソポクレース、エウリーピデースほか、群小詩人、作者不詳の断片的な詩行までも訳されています。
この「断片」というのが意外に面白い!
ギリシア悲劇に詳しくなくとも(いやまったく知らなくとも)、格言(アフォリズム)として、詞華集として、どのページからでも読めるのです。
「昔の人たちの言ったことには見事なものが多い。
死すべき人間にとって、優れた言葉は恐怖を癒す薬であるからだ。」
パピルスに書かれた古(いにしえ)の言葉たちは、まさに「死の(生の)恐怖を癒す薬」といったところでしょうか。
含蓄のある言葉になるほどと頷き、散逸してしまった悲劇がどのようなものだったのか想像をめぐらすのも、また楽しいです。
さまざまな文学の下敷きとなっているギリシア悲劇、断片集から気軽に手にとってみるのも、ありかもしれませんよ。
【併読のススメ】
『女たちのロマネスク―古代ギリシアの劇場から』
和医大OPAC http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=21462
ブクログ http://booklog.jp/users/wmulk/archives/1/448601586X詳細をみるコメント0件をすべて表示