それから 門 (注解:中山和子・玉井敬之)/

  • 岩波書店
3.60
  • (1)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 27
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (783ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000918060

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「それから」「門」どちらも3、4回目になるだろうか。
    朝日新聞に連載され読んでいたのだが、時々というか、だんだん飛んでしまったので、改めてまとめて読もうと思った。

    「それから」
    これは、三角関係からの略奪愛。そんな通俗的な言葉で思ったことはなかったが、そうとしか言いようがない。そんな通俗的な話がなぜ今も読み続けられているのか。明治時代の話なので、全く背景は古臭いのだが、この男女関係は、普遍的というのか、今の時代においても、なんとなくわかる。読んでいて苦しくなってきた。
    学生の時、その10年後くらいに読んだ時は「漱石の小説」として、なんだかありがたく読んだ気がするが、今回は、もうありがたいとも、難しいとも全く思わずに読んだ。特に後半、次々ページをめくっていった。
    どこにこんなに読み続けられる要素があるのだろう。
    あまり再読しない私が、漱石だけはわりと繰り返し読むのはなぜだろう。



    「門」
    大学生の時、初めて読んだ。愛を貫き、親や親戚や友人を捨て、崖下でひっそり暮らす夫婦に憧れた。そのことだけをはっきり覚えている。三部作の中で、この世界が一番好きだと思っていた。
    今、読んでみて、「誰かを不幸にして、自分たちだけが幸せになることはない」と、かつて話した人を思い出した。漱石が好きな人であった。
    これは、そういう話か。

  • 「それから」 印象に残った場面。
    ・代助と平岡が酒の席で働く働かないについて議論する場面。
    ・代助が三千代を自分の家に呼び、
    愛を告白する場面。白百合。外は大雨。
    ・終盤、平岡と兄に絶交を言い渡される場面。ここまで読んで漸く以前読んだことを思い出した。赤。焼き尽くす炎。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夏目漱石の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×