ねこのお客 (岩波少年文庫(1055)―かめのシェルオーバーのお話 1)
- 岩波書店 (1996年12月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001110555
感想・レビュー・書評
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170920読了。
瀬田貞二さんの『幼い子の文学』で出てきたかめのシェローバー(本作ではシェルオーバー)の話が気になって読みました。
ものしりかめがまわりの人間や動物たちに話して聞かせるという形式の短編集なのですが、「ねこのお客」と「霧のこどもたち」がとりわけ面白かったです。
たぶん、毎晩一話ずつ子どもに読み聞かせるととっても楽しいんでしょうね。
エインズワースはこ『すずめのぼうけん』も気になっているので、今度読んでみようと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キャンディーおくさんの家に、ひょっこりやってきたカメのシェルオーパーが、語ってくれた 物語の数々
寝る前に、1話ずつ読んであげたい ほんわか、あったかいお話集です。エインズワースのお話は、ラジオ放送向けに作られたということで、聞いていて、耳に心地よく、情景の表現が素晴らしいと思います。 -
ルース・エインズワースは、イギリスのマンチェスター生まれ、海辺の町に育ち、ごく若い頃からお話を創っていたという。
3人の子どもを育てながら、幼年文学を多く書き、BBCラジオ放送では「お母さんと聞こう(Listen With Mother)」の台本作家として活躍しただけあって、この短編集も魅力的だ。
突然の珍客として現われたカメのシェルオーバーだったが、得意なお話で、皆を魅了する。
タイトルになっている「ねこのお客」は、凍えそうな冬の日に、やってきたみすぼらしい猫に請われるまま全ての食べ物を与えて、友達としてあたたかく接した貧しいおじいさんの不思議な物語。
この一篇は「黒ねこのおきゃくさま」(福音館書店)で刊行され、課題図書にもなっていたようだから、ご存じの方も多いでしょう。
日常の描写の中から、ふっと変わってお話の世界へ移行しているような、不思議な味わいがあり、どれも面白い。この10篇がシェルオーバーの最初のお話で、次の冬眠からさめると、まだ続きます。