空をとぶ小人たち―小人の冒険シリーズ〈4〉 (岩波少年文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140651

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  •  メアリー・ノートンの小人たちシリーズの第4作です。

     アリエッティ一家はリトル・フォーダムにやってきました。そこは小さな模型の街。鉄道員のポットさんが怪我で仕事を辞めてから、自分自身の楽しみのために作ったものでした。

     そこにアリエッティ一家が住まい、アリエッティと人間のミス・メンチスとの出合いもあったのですが、リトル・フォーダムに小人たちが住み着いていると知ったプラターさん夫妻に捕らえられ屋根裏に閉じ込められてしまいます。
     見世物にするために捕らえられたと知ったアリエッティと父ポッド、母ホミリーは脱出を計画しますが……。

     父ポッドの勇敢さ、一家を守ろうという心意気が素晴らしいです。主役はアリエッティなのに。決断力、判断力、まさに一家の大黒柱。今どきの父親にはない威厳。1950年代のイギリスが舞台ですが、家族の絆とか現代の日本と比べて考えてしまいます。

  • この物語はいいなぁ・・・・・。  大人になった今、こうやって読み返してみる(ひょっとするとこの2冊は初めてかもしれないけれど)と、本当に大切なことが数多くこの物語には含まれていると感じられます。  自らの手を使って工夫をしながら生活を豊かにするということ、自分の力で自分の生き様を守り構築していくということ、生きていくためにそして生活を継続させるために何かを選択する際に必要な覚悟について、勇気と無謀の違いについて・・・・・・そういうことが、この小人一家を見舞う災難とそれに伴う冒険の描写の中でさりげな~く書かれているのが、とにかく好印象です。

    (全文はブログにて)

  • 続編の中ではこれが、示唆に富んでいておもしろいと感じた。
    「そのネズミも、しまいには逃げだして、なかまんとこへもどってったよ。…その虫が幸福だなどとは、まるっきり思ってもいなかったな。そのアブラムシは、腹をすかしたことなんぞはないんだ、だが、茶こしにしろなんにしろ、おりにはちがいないからな」
    人間と動物の関係、ペットについて考えさせられる。

  • 模型の町リトル・フォーダムに落ち着いたアリエッティ一家。理想的で平和な生活を営めるようになったが、ある日見世物にするため誘拐されてしまう。

    あくまでも人間との間に一線を引こうとする父・ポッドの態度は旧弊で頑固だが、生きるための知恵か。あいかわらず母・ホミリーには魅力がない。アリエッティに男社会に対する批判の眼が生まれてきたのは頼もしい。

  • やっとたどりついた、すばらしい模型の村「リトル・フォーダム」しかし、ライバルの模型村の主人に見つかって誘拐されてしまいます。屋根裏部屋に閉じこめられ、あとは見せ物にされるのを待つばかり・・・。しかし屋根裏にあるもので、なんと気球を作って脱出!ただ風船につかまって風任せ、っていうんじゃなく、ちゃんと操縦して目的地を目指す本格的な気球ってところがわくわくします。空想癖のあるミス・メンチスに親近感。お母さんのホミリーには相変わらずイライラさせられました。最後にやはり「見られて」暮らしてはいけない、と決断する小人たちがせつなかった・・・安住の地はあるのでしょうか?

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