リンゴの木の上のおばあさん (岩波少年文庫)

  • 岩波書店
3.93
  • (8)
  • (9)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 112
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001142174

作品紹介・あらすじ

自分にはおばあさんがいない、とさびしく思っていたアンディ。いつものようにリンゴの木に登ると、そこにはふしぎなおばあさんがいました。遊園地へ行ったり、草原で野馬をつかまえたり、ふたりは数々のゆかいな冒険をしますが…。小学2・3年以上。オーストリア児童文学賞、ウィーン児童図書賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いつもにこにこ笑顔の
    優しいおばあちゃん。 

    昼に夜に旅した空想の
    世界。

    子どもの頃を思い出し、

    ポッと温かい気持ちに
    なりました。

    ときどき胸の内に不安
    な思いを抱えていた、

    幼い自分を抱きしめて、

    大丈夫よ、と微笑んで
    あげたくなりました。

  • 小学校低学年向き。1969年の学研版で読みました。つい先日までアメリカの物語だと勝手に思いこんでたけど、じつはオーストリアの作品。主人公のアンディが、おばあさんと遊園地に行く話で、カラシを付けたソーセージと綿菓子を交互に食べる所があります。これが無茶苦茶おいしそう!
    2013年に岩波少年文庫で復刊。えらいぞ岩波!こういう良質な児童文学の復刊、待ってます。

  • 高楼さんのエッセイきっかけ。おばあさんがいないアンディは友だちのおばあさんがうらやましくてたまらない。そんなアンディは空想で愉快なおばあさんを作り出す。おばあさんと遊園地にいったり馬を探しにいったり航海したり。そんな時に現実で近所におばあさんが引っ越してくる。アンディはおばあさんの家に出入りして仲良くなる。現実と空想の間にいるアンディは現実の方がおもしろくなってくる。でも現実のおばあさんはアンディの空想を理解し大事にする。空想のおばあさんを捨てないでって。おばあさん、素晴らしいね。どっちの世界も認められる大人。

  • 978-4-00114217-4
    C8397¥640E.

    リンゴの木の上のおばあさん
    岩波少年文庫217.
    小学2・3年以上

    2013年6月14日 第1刷発行
    訳者:塩屋太郎(しおや たろう)
    発行所:株式会社岩波書店
    作者:ミラ・ローベ
    さし絵:ズージヴァイゲル.

    ※1969年学習研究社「リンゴの木の上のおばあさん」として刊行されました。

    --------もくじより--------
    一人ぼっちのアンディ
    とつぜん、あらわれたおばあさん
    書きとりの練習
    野馬狩り
    アホーイ!船長!
    二十二番地のおばあさん
    ベロのいたずら
    アンディ、ジャガイモをゆでる
    花だんづくり

    訳者あとがき
    -------------
    裏表紙より
    自分にはおばあさんがいない、と寂しく思っていたアンディ。いつものようにリンゴの木に登ると、そこには不思議なおばあさんが居ました。遊園地へ行ったり、草原で野馬を捕まえたり、ふたりは数々のゆかいなぼうけんをしますが・・・・。
    -------------

    小学生の男の子 アンディ。
    お父さん、お母さん、兄さん、姉さん そしてアンディ。クラスの友達にはおばあさんが居るけど、アンディには居ない。
    友達でもなく、親や兄弟でもない特別な存在、おばあちゃんが欲しかった。実際にはお父さんのお母さんも、お母さんのお母さんももういない。

    アンディのお気に入りの場所はリンゴの木
    ある日そこで不思議なおばあさんに出合う。
    白い巻き毛、花の刺繍のついた手提げで丈の長いドレスにレースの下履きをはいていた。
    遊園地にバスで出かけて、メリーゴーランドにのったりチョコレートを食べたり、お母さんとはできないやんちゃなブランコ乗りをして楽しむ。日を追うごとにやんちゃの度合いは増してゆく、野馬を捕まえてのりまわしたり、とうとう帆船にのって、インドにトラ狩りに行こうねという・・。
    そこへ、近所に引っ越してきたおばあさんが居ました。
    フィンクさんという小太りの白髪交じりのおばあさんで、アンディは最初面倒な気持ちもあったけれど、荷物を運んだり引っ越しを手伝ううちにおばあさんの緩やかな愛情が心地よく感じられるようになりました。リウマチでリンゴの木のおばあさんのような冒険はできませんでしたが、また別の良さがありました。
    例えば子どもも動物も嫌いなご近所さんとの付き合い方を教えてくれたり(その子ども嫌いな人たちはアンディが元気よく階段を上ったり下りたりすると、足音が気になるようでしたが、フィンクさんから、インディアンのように抜き足差し足にしたらいいのよ~と言われたり、買い物に行くときについでにお使いしましょうか?と声をかけてみるとかで、お互いの付き合い方の程度をはかったりしました)
    マッチの買い物に行くけど、何かついでに買ってきましょうかとおばあさんに教わった通りに言うと、子ども嫌いなおばさんからマッチを貸してもらえました。それがきっかけで、フィンクさんは庭の一部を貸してもらえることになって、春になったら種まきをして花を楽しめると喜んでいました。
    アンディのお母さんは花をたくさん植えていましたので、今からでも花壇ができることを伝え、花壇を作るのを手伝いました。自分が人を助けて、喜んでもらえるのはとてもうれしい事だとアンディは気が付きました。
    フィンクさんには孫も二人いましたが、遠くカナダに居て、寂しそうでした。
    アンディはリンゴの木のおばあさんも好きでしたが、フィンクさんも頼りになるホントのおばあさんのようなきがして、どちらに会いに行くか選ばばなくてはならないと思っていました。どちらのおばあさんもステキで選び難くそのことが気になっていましたが、フィンクさんにおばあさんは「一人じゃなくていいのよ」と言葉に出して言われ、友達の中にも二人のおばあさんを持つ人が居ることを思い出し、一気に気が楽になりました。
    フィンクさんが忙しい時、アンディは初めてお料理を作りました。フィンクさんのために。

    色々な面倒も、緩やかに超えていく知恵や心配りを身をもって教えてくれたフィンクさんと、冒険を一緒にしてくれるリンゴの木のおばあさん。アンディは二人のおばあさんが居て、冒険のお話を聞いてくれる人ができました。
    冒険のお話はアンディの空想のおばあさんとの話ですが、それを(否定も咎めもせずに)聞いてくれる大人が居る。
    手を貸してもらう事もできるし、手伝ってあげることもできる。2人は(特にアンディにとって)、友達でも兄弟でも親でもできない大切な関係性を持つ大人は大切な人でしょう。

    「リンゴの木のおばあさん」がタイトルで遊園地から、野馬捕獲に海賊と渡り合ってインドへ渡りトラ狩り・・。この辺りで物語は半分を超え、このお話の結末は一体どうなるんだろう?と皆目見当がつかなかった。勇ましいおばあさんと、人間の弱さや優しさを持ったおばあさんとそのどちらも必要とする成長期の子どもをおおらかに書いてあって、子どもの楽しみかたとは別に、大人も楽しめる一冊なんじゃないかなと思いました。
    許したり、頼ったり、気を配ったりって苦手な人増えてる気がしますけど、心地よい人間関係の作り方の一辺が学べた気がします。

    偶々、短くて小さい子向きの本だから簡単に読めるだろうと読み始めましたが、自分にとって思うところはたくさんあった一冊でした。

    ※ 訳者さんについてはメモへ

  • 岩波書店の雑誌「図書」で、ちょっと前にこの本が出ると載っており、
    発売、そして見つけられる日を楽しみにしておりました。

    「図書」は載っている随筆その他、内容も多岐にわたり、難しく、
    楽々と読めるのはわりと赤川次郎先生のところくらい。
    (赤川先生への挑戦状ではありません)
    「図書」のおかげで
    赤川先生が、博識で話の分かる立派な人だとわかった。
    (今まではどう思っていたのかな?)

    でも「図書」は難しくてもなんでも、
    後ろの新刊コーナーが私にとっては大事だから、
    定期購読、続けるよ。
    発売のニュースをみると、待つ楽しみが加わってよいのです。

    さて、この本の主人公アンディは優しいお母さん、お父さん、
    明るいお兄ちゃん、お姉ちゃんに囲まれ、
    幸せに暮らしているけれど、ただ一つさびしく思うこと、
    それは自分にはおばあちゃんがいないこと。

    この気持ち、私もよくわかる。
    自分がおばあちゃんが大好きだったから!
    そして、物心ついたときにはどちらのおじいちゃんもいなくて
    おじいちゃんがいたらなあと、よく思っていたから!
    (今も、思います)

    あるとき、アンディはいつものようにおうちの庭のリンゴの木に
    登るとそこにはなんと、おばあちゃんが…!

    アンディとおばあちゃんは遊園地へ行ったり、馬を捕まえに行ったり、
    様々な冒険に出かける…

    とにかくひょうきんでおてんばなおばあちゃんとの楽しい交流。

    「でも、あれれ?、このまま行くと…」と、
    読みながら一瞬心配したのですが、
    そんな心配はご無用で、
    なるほど、納得の嬉しくなるラスト、
    後ろの解説に「作者のなみなみならぬ力量を感じさせる…」と
    あるが、強ち大げさでも無いようだ。

    ドイツ(オーストリア?)の家庭料理、生活習慣などの細かい描写も楽しい。

    私は会社の行きに読んで感激し、帰りもまた読んだ。
    今日のうちに二回も読んでしまった!

  • 小学校中学年の頃、一番好きだった児童書です。

  • アンディにはおばあさんがいなくて、
    友だちのおばあさんがうらやましくてしかたない。
    しかし、ある日、リンゴの木の上に素敵なおばあさんを発見。
    このおばあさんがなかなかに痛快、破天荒。

    一方で近所に引っ越して来たおばあさんとも知り合って、
    仲良くなるアンディ。

    現実と空想があいまって、
    少し古典的な感じがするけれど良質な児童文学。

    この内容を楽しむのは2・3年生かな?
    ただし、岩波少年文庫では読めないだろうから
    読み語りすると良いかも。

  • アンディの素敵なおばあさん、今日は何をしようかな?

    アンディにはおばあさんがいない。友だちがおばあさんと楽しく過ごす日、アンディがリンゴの木に登るとそこにはおばあさんがいた。遊園地に行ったり、草原で馬に乗ったり、海に航海に出たりして楽しんでいたアンディだが、リンゴの木の下から誰かに呼ばれて——。

    寂しさから空想の友人を作り一緒に冒険をする楽しさと、出会った人に頼まれて自分の力でその人を助ける誇らしさと。この物語には子どもの頃の幸せが両立させて描かれている。アンディの空想のおばあさんを否定しないフィンクさんがよい。

  • 「自分にはおばあさんがいない、とさびしく思っていたアンディ。いつものようにリンゴの木に登ると、そこにはふしぎなおばあさんがいました。遊園地へ行ったり、草原で野馬をつかまえたり、ふたりは数々のゆかいな冒険をしますが…。小学2・3年以上。オーストリア児童文学賞、ウィーン児童図書賞受賞作。」

  • 9/13掲載 北海道立図書館 桑原氏

全12件中 1 - 10件を表示

ミラ・ローベの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランシス・ホジ...
鈴木 のりたけ
トミー=アンゲラ...
柏葉 幸子
エリック・カール
ヨシタケシンスケ
福田 隆浩
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×