- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145977
感想・レビュー・書評
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20世紀初頭のイギリス。12歳の孤児クリスチナは、フランバーズ屋敷にひきとられてきた。相反する価値観を持つマークと、ウィルの兄弟と、心優しい馬丁のディック。彼らとの交流を通じて、クリスチナは自分の人生の在り方を選ぶ。
第一次世界大戦が始まる前。小公女や秘密の花園、ジェインエア、ヒルクレストの娘たちに似ているようで、全く異なるクリスチナは、とても魅力的な少女。
マーク、ウィル、ディックも、みなそれぞれに魅力的でありながら、弱いところや、嫌な面もある。イギリスの階級や貧困の差、それぞれが、ありのままに綴られている。
馬がまだ生活の中心にあり、人間よりも馬が大事にされるフランバーズ屋敷。百年前のイギリスが、目に浮かぶよう。
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粗野で乱暴だが、女たちを惑わす美貌をもつマークか
傷つきやすく繊細で、知性を持ち合わせたウィリアムか
身分違いだが、力強い腕で抱きしめてくれるディックか
心揺れまくり。 -
冒頭の狐を追う猟犬の群れの描写が素晴らしかった。群れ自体が生命を持った川の流れのように、イギリスの荒野を駆け巡る様子が目に浮かんだ。
主人公の少女が、少女だからしょうがないけど未熟というか、ややステロタイプで物足りないな…。2巻3巻ときっと成長して自我を確立していったらより面白くなりそう! -
20世紀初めのイギリス。田舎のお屋敷、キツネ狩り、舞踏会・・・
ワクワクする舞台なのに、くら〜い(笑)
働きもせず、使用人を人とも思わず、ろくな人生送れないぞ。
貴族であれ、使用人であれ、女にはつらい時代です。 -
地主の長男が女中を孕ませるくだりなどけっこう当時の英国社会のきわどいところまで斬り込む。階級についての問題提起についても意欲的
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岩波少年文庫だから子どもが読んでも大丈夫だけど、第一次世界大戦前のイギリスを舞台にした大河メロドラマ。
孤児のクリスチナが伯父と従兄の住むフランバーズ屋敷に引き取られてから始まる物語。
西洋人って、捕鯨は残酷だっていうけど、狐狩りはどうなのよ。圧倒的に数が多い猟犬と馬に乗った人が、狐を殺すまで追い続けるって。
楽しみのために。
個人的に闘牛よりずっと残酷に感じる。
それにこのクリスチナのもてっぷりは何なのよ。
三人の魅力的な男に想われて、気づかないなんてやな女だ。
「けんかをやめて~♪」状態。
特にディックに対する仕打ちがひどい。
とか、いろいろ不満を抱きつつも、結構面白くて一気に読んでしまった。
馬のことや初期の飛行機のこと、その時代の雰囲気も良く描かれているし、登場人物のキャラクターもいい。
一読に値する本であることは否定できない。
続きも読んじゃう。