- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001160291
作品紹介・あらすじ
夏休み。母親がもうひとり子どもを望んでいたことに、ローズは気づいている。それで両親がぎくしゃくしていることにも。友だちが子どもっぽく見える時があるし、雑貨屋の店員のダンクがなんだか気になって——。浜辺の別荘地で過ごす、ある夏のできごと。思春期の入り口でゆれる心に寄り添う、傑作グラフィック・ノベル。
感想・レビュー・書評
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中学生になりたてくらいの少女が、いつもサマーバケーションで訪れている別荘に行って、女子の友達と過ごす夏休みの日常。
少し年上のお兄さんのお姉さんたちの状況や親世代の悩みなどに敏感に感じながら、2つ年下の女友達の幼さへイライラしたり、ティーンエイジャーになりたての少女の心をさりげなく繊細に写し取っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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少女の心の機微を描いた、カナダ発のグラフィック・ノベル『THIS ONE SUMMER』|Pen Online
https://www.p...少女の心の機微を描いた、カナダ発のグラフィック・ノベル『THIS ONE SUMMER』|Pen Online
https://www.pen-online.jp/article/009301.html2021/11/03
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カナダの少女の一夏。いつもの湖近くの別荘で、いつもの友達と過ごす一夏。少し年下の友達とは、少しづつ違う感覚が生まれていく。レンタルビデオ店でホラー映画を借り、ビデオ店のアルバイトがちょっと気になる。両親の態度も、少し変わっていく。思春期のどうしようもない気持ちを淡々と描き、夏が終わる。
う~ん、やっぱり日本人と何か違うなぁ。人種じゃなくて、年代かなぁ? -
思春期の、ドキドキワクワク…ヒリヒリも
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2023.6.16市立図書館
このところ話題作が続くYA向き「グラフィックノベル」。
マリコ・タマキはカナダの日系の作家で、今回はいとこのジリアン・タマキが作画。
原書は2014年刊行で、2015年にすぐれた絵本に贈られるイギリスのコールデコット賞のオナーにグラフィックノベルとしてはじめて選ばれている。邦訳は2021年に出て、評判はあちこちで聞いて気にはしていたけど、先日BBCが企画した児童書100選にもはいっていたので、この機に借りてみた。
子どもの頃から恒例の湖畔の別荘地で両親や別荘地仲間とひと夏を過ごす少女の物語。ローズはたぶん12, 3歳ぐらいだろうか、1歳半年下の友だちと過ごす時間、ちょっとギクシャクしている両親との関係、別荘地の雰囲気…今までは無邪気に楽しめたこと、目や耳に入らず気にもとめなかったことが、去年までとはどこか違って感じられて、微妙な気持ちの連続。万国共通こどもとおとなの境目のデリケートで宙ぶらりんな気分や難しさあぶなっかしさが伝わってくるけど、日本の女の子の世界とはずいぶん違うという気もする。
同時にこれはローズの母親アリスの時間のかかる回復の物語でもあった。わたしはむしろそっちがずっと気がかりでページを繰る手が止まらなかった気もする。
多文化共生のカナダ、作者も日系三世ゆえか、さまざまな出自の人や多様な家族がでてくる。日本のマンガでこれに近いテーマの作品、あるだろうか。マンガはそんなにくわしくないけど、あったら読み比べてみるのもおもしろいだろうな…。
グラフックノベルは要はマンガ(コミック)でいいと思うけれど、そうなると日本の漫画作品で児童/YA文学として読まれてもいいものはけっこうありそうな気がする。「メタモルフォーゼの縁側」とか、今読んでる「違国日記」あたりも海外ではグラフィックノベルでいけるんじゃないかしら。 -
カナダの作家によるグラフィック・ノベル。
十代なかば?の少女が両親と毎夏訪れる海辺の別荘。そこで起きる出来事と思春期の少女の心の葛藤。
日本の漫画とはちょっと違う。でも質的には全く日本の漫画に引けをとらない。絵のタッチとかは最近の日本にはない、というか日本の場合、このタッチは避けるだろうなー。でも、このタッチがこの作品には合ってるなーと感じる。 -
ローズと両親は、毎年の夏を海辺の別荘ですごす。
ウィンディは、やはり夏のあいだ近所の別荘に来る子。ローズの1歳半下。
たのしい夏の行事だけど、今年は何かがちがう。ママがゆううつそうでパパと口論がたえないし、ウィンディが子どもっぽく思えていらいらすることもある……。
思春期にさしかかって少し背伸びしたいローズ(何歳なんだろう? 12歳?)と、まだそこまではいかないウィンディ。1歳半という歳の差が絶妙。
ローズは近所の店のバイトの兄ちゃん(クズ男)がなぜか気になってしかたがなかったり、ホラー映画や18禁のビデオをわざと借りて見たりと、少し背伸びする。その様子を見ていて「あー、そっち行っちゃだめ……」と、少しハラハラするあたり、映画の『エイス・グレード』を思い出した。
親との距離感の描き方も絶妙。それまで「いつも守ってくれる人」だったのに、「悩みをかかえたただの人」なんだと気づく時期だよね……。親のほうも、子どもに弱さを見せまいとしていたがゆえに、かえって断絶が生まれてしまう。
アメリカのグラフィックノベルって、ときとして人物の描き分けがよくわからなかったり、表情の変化が乏しかったりすることがあるけど、ジリアン・タマキの絵は映画を見ているみたいで、静かななかから感情が伝わってくる。
全体としてかなり地味な作品だけど、脳裏にからみついてくる系。高校生とかの感想をきいてみたい。 -
おもしろいけどローラディーンのが好きだった
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2015年度コールデコット賞受賞作品
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これもクロワッサン・ブックガイドから。やっぱ漫画のが良いな~。あと内容も、これそんなに面白いかな?っていう。