平家物語 (2) (岩波文庫 黄 113-2)

  • 岩波書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003011324

感想・レビュー・書評

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  • 巻4から6まで収録。
    1巻の平家の横暴ぶりを紹介する巻より、勢いがついてきた。
    4巻では、いよいよ清盛の孫が天皇となり、栄華を極めたように見えるが、初めての実際の平家に対する反乱がおこり、高倉の宮が殺害される。天皇を殺すことにためらいを覚えるような流れでここまできたのが一転。端武者に近い存在に、名乗り合とかもなく、大量の弓で射殺された。宮御最期で、カラフルな鎧をまとった武者が川を流れさながら紅葉の様である表現や、鵺が好み。

    5巻では、都を福原へ移す。併読する注釈本に出てきた、当時の月見が直接月を見るのではなく、杯に移したり、池に船を浮かべて水面に映るのを眺めたりと風流な説明がしてあり、光景を想像して楽しめた。
    それで強調されるのが、平家ののんきさ。結構日本の半分以上が平家にそっぽを向けているのに、悪い情報が伝わってもたいしたことないと言いながら、いつまでも優美な貴族生活を楽しんでいて、切迫感にかけている。

    一方、いよいよ、頼朝が決起。坂東武者を恐れる平家が水鳥の音で逃げ去る”富士川”の段も収録。

    6巻では、人柄が抜群であったが、弱かった高倉親王がなくなったので、その人柄を偲ぶエピソードが語られ、そうこうしているうちに、清盛が壮絶な神に呪われた死を遂げる。と、手のひらをかえして、仏教の悪い見本?となるために遣わされた高僧の生まれ変わりだとか、急に意味の分からないかばいが入ってくる。
    死ねば聖人傾向は、今と同じか、それとも怨霊を恐れてか?その後、州の股合戦(源氏が負けたが、平家がとどめをささなかった、それが失敗)、義仲が登場しての横田河原合戦まで。平家の赤旗をもって近づき、直前で源氏の白旗に変えるという戦略が大成功を収める

  • あー面白い。だいぶ慣れてきたのか読むスピードが上がり、物語への没入感も高まった。
    高倉宮の最期がすごく印象に残った前半。
    後半は清盛死後、急に実は偉いお坊さんの生まれ変わりでねみたいな話は??ってなったけれど笑
    いよいよ清盛が亡くなり、源氏との戦いがどんどん増えてくるのに、相も変わらずのんびりしている平家の人々。
    ああ辛いこの後が辛い、、

  • 1巻のレビューを参照してください。

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2013年度第3回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第3弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    大塚美保教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しました。
            
    開催期間:2013年10月1日(火) ~2013年11月15日(金)【終了しました】
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    大学2年生の時、生まれて初めて古典に読みふける経験をし、通学電車で駅を乗り過ごしました。それほどエキサイティングだったのが『平家物語』。
    おかげで、古典文学は読みづらいという苦手意識が払拭されました。
    いちばん好きなのは、戦いに敗れ、命運つきた木曽(きそ)義(よし)仲(なか)が、一人だけ残った従者にもらす言葉。
    「日来(ひごろ)は何とも覚えぬ鎧(よろい)が、今日は重うなつたるぞや」
    涙なしには読めません。

  • 半分まで来たが、既に東国では頼朝が兵を挙げ、信濃でも木曾義仲が、さらには西国からも平家造反の火の手が上がった。高倉院崩御に続いて清盛もついに64歳で「あつち死」。『平家物語』は全体とすれば、こうして編年体風に歴史が語られるのだが、軍記をまさに軍記たらしめているのが、随所に見られる合戦の場面だろう。例えば、宇治川をはさんで勇壮な闘いが展開する巻4の「橋合戦」などがその典型的なものである。そして、その一方で「小督」のように、高倉帝の悲恋が回想風に語られたりもする。中世の無常の中にも王朝風の雅が揺曳するのだ。

  • 清盛も死に、源氏が力をつけてきて、物語はいよいよ佳境に!古い言い回しにもだいぶ慣れて来た。。。かな(^^)

  • 平家物語、巻第四から巻第六まで収録。福原遷都、源頼朝・木曾義仲の挙兵、平清盛の死去等を描く。
    少しも無駄のない名文、名調子で、平家凋落の様子を唄い上げている。

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