南総里見八犬伝 3 (岩波文庫 黄 224-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003022436

作品紹介・あらすじ

内田魯庵が「船虫の一生の如き、単なる一挿話とするには惜しい話材」と評した妖婦船虫が、先ず盗賊の女房として、次に郷士の女房として登場。また、女田楽師旦開野じつは犬士の一人毛野が、父の仇馬加一家を斬りまくる対牛楼のくだりも含まれる。

感想・レビュー・書評

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  • 前巻までに登場した犬士は6人。
    そのうち犬山道節とは一瞬の出会いで終わり、犬江新兵衛は神隠しにあってしまう。

    今巻では犬塚信乃の伯母夫婦の家に戻った額蔵(犬川荘助)を迎えに行った信乃、犬飼現八、犬田小文吾が、伯母夫婦惨殺の下手人として囚われていた額蔵を助け出す話。

    額蔵を助けたことによって追われることになった犬士達を、船で逃がしてくれたやす平に頼まれた手紙を届けに荒芽山へ向かい、犬山道節と対面。
    彼の敵討ちに巻きこまれ、山火事に巻きこまれ、仲間が別れ別れになる話。

    そのうちの小文吾が、武蔵の国で足止めを食い、犬坂毛野と知り合う話。

    また、京で三年修行した挙句に下野の国で、現八が幽霊に化け猫退治を頼まれ、犬村角太郎と知り合う話。

    今までは仲間が増えていく話だったが、これからは離れ離れになった犬士達それぞれの冒険譚となっていく。
    それはいいのだが、どうにも時間の流れがゆったりしてますな。

    殺人の下手人として囚われていて、毎日死ぬほどの拷問を受けている額蔵を助けるのに、全然一刻を争わない。
    いよいよ処刑という時にようやく助けに参上するのだが、もう少し人目のない時に助けることはできなかったのか。一週間も準備期間があったのにさ。

    小文吾は事件に巻きまれて、一年間軟禁されていた間に何度も毒を盛られているのに気づかないといううっかり屋さん。
    あとになって、そういえばお腹が痛かったり気持ち悪かったりしたなあと思うばかり。(珠のご利益ではあるのだけれど)
    仲間と離ればなれになったというのに、暢気に一年も軟禁されているのもいかがなものか。
    夜中に抜け出せないものか。

    と思ったら、現八に至っては京に三年もいたという。
    そろそろ国に戻ろうか…って、のんびり過ぎる。
    人生50年じゃないのかい?

    心の中で突っ込んで、くすくす笑いながら読んでいるけれど、戦うシーンではやはり手に汗を握るし、このメリハリがたまらない。
    この調子では八人が勢ぞろいするのはいつのことやら。

    とりあえず次は化け猫退治からだ。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003022432
    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 3)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     

  • お盆休みの3冊目。
    「曲亭馬琴作 南総里見八犬伝 第三巻」。
    3年位前に読み始めて、2巻目まで読んだままにしていた岩波文庫版。
    当時書かれた言葉そのままなのでチョット読み辛いけど、それでも七五調の文章でワクワクドキドキ読める活劇物。悪家老が出てきたり、毒婦や魔物まで出てきます。第三巻でやっと八犬士が出揃うけど、まだまだ別れ別れで、一堂に会するところまでは行き着きません。第四巻以降のお楽しみ。

  • 仇討ちの多い巻。犬坂毛野こと女田楽師に扮した旦開野が親の仇、馬加常武らをみなごろしにする対牛楼のシーンがあります。犬山道節はあだ討ち失敗するけど。<br>それから亡霊だの妖怪だのがやたら多かった気がする。尺八、力二郎、赤岩一角(犬村大角の父)、山猫のバケモノ…<br>ファンタジーというよりオカルト小説?<br><br>性別詐称した旦開野こと犬坂毛野(美少年)に恋を打ち明けられた犬田小文吾に笑った。ちょっと疑ったりしてるけど、「落ちついたら結婚しよう」…←まんざらイヤな気はしてないんだ(笑)毛野さん美人だもんね男だけど。<br>あとで実は旦開野が男だということを知った小文吾のリアクションが冷めすぎててさらに笑った。

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著者プロフィール

1767年生まれ。江戸時代後期の作家。1814年から28年をかけて全98巻、106冊の「南総里見八犬伝」を完結させた。1848年没。

「2016年 『南総里見八犬伝(三) 決戦のとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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