- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003101131
感想・レビュー・書評
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全体を通して僕にはよく分からない作品だった。
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著者:夏目漱石(1867-1916、新宿区、小説家)
解説:相原和邦(1939-、日本文学) -
2017/09/02
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入院中に自宅の本棚から供給してもらった。何年か購入してあった著書だ。
本著は純文学にカテゴライズされるだろうか、このジャンルを読むのは久しぶりだ。
本著は私小説としての議論があるようだが、今回は小説として十分に愉しめたとおもう。主人公とその細君の世の中の見方の違いが主人公の独白を通じて語られるところがいい。水と油のような性格の違いがある、例えば、娘に対する愛情のあり方にもその性格の違いを細君に語らせている。しかし、小説中で3人目の娘が誕生することから夫婦の関係が破綻的なものではないことがうかがわられる。この時代の夫婦関係なのか、こんな関係も面白い。そして最後に主人公が養父にお金を工面して関係を断ち切る段になっても主人公と細君ではその割り切り方が違いが明らかになっている。どちらがいいということではなく、考え方や気持ちの処理の仕方の対照性がこの作品の醍醐味だ。必要以上の修飾がなく大変読みやすい一冊だった。 -
家庭を持たず、親類関係者も少なめの僕には遠い世界に思えるが、家庭を持つようになればこの様な雁字搦めな状況にも陥るのかもしれないなぁ。
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いつだからのNHKで再現映像的に本作が紹介されてまして、ほほーとなったんですが、読んでみると子ども時代の機微ってのが克明に記されていまして、大人の都合ってのは子どもにすっかりバレています。そういった嫌な思い出ってのは、金で解決するんならくれてやる、ってある意味自棄になるというか、それを周囲は批判するけれども胸の内は分かってもらえないし、世はいつまで経っても住み良くなりませんね。
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漱石のの自伝的小説。時代は猫を描いたあたりのものだと思う。
話の主な題材は金とそれに伴う人間関係が描き出されている。
ストーリーはともかく、漱石作品に頻出するテーマである、金の問題や人間関係の煩わしさの根幹を、(この作品の内容が事実ならば)垣間見ることができたのかなと思われる。
ただ話は大して面白くもないので、漱石の溢れんばかりのボキャブラリーと他作品を読むに当たっての補完的な楽しみ方を提供してくれる作品なのかな?と個人的には思っています。笑 -
学生のあなたたちにはまだ早いかもしれないから、
10年くらいたったら 読んでください(笑)
とても共感してもらえると思います。
漱石が、自分自身の結婚生活をほぼ写し、
自伝的な素材を使って書いた作品です。
「いい恋愛ができて、そこそこの結婚ができて、
だけど人生はそんな幸せがずっと続くわけじゃな
く色々なことがあって…」くらいの時に読むと
人と人は惹かれあってもぶつかりあうし、
全く違う個々の人間なんだ、ということが深くわかると思います。
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
図書館で借りて読んだ本。夏目漱石好きなのに読んでなかったから読んでみたんだけど、内容はあまり覚えてない。
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ずいぶんとお金の話が出てくる。
はっきりと断れない主人公の健三である。
今後もこのままの状態が続いていくのだろう。
「片付いたのは上部だけじゃないか・・」
「世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない。・・」
健三は、このまま苦悩しながら今までの生活を続けていくことになるのだろう。
悩んで悩んで、なおさら解決の糸口が見つからないまま・・。