micahさんの感想
2012年8月14日
人と人の間を流れる時間が、ゆっくりで優しいのだ。 駅の自動改札を急いで通り過ぎる様ではなく、ちゃんと一人ひとりの顔を確かめて、穏やかに過ぎてゆくのだ。 だから、人だけでなく、自然や、状況や、あらゆるものの描写が、まろやかで優しいのだ。 そういう描き方ができる時代、そういう描き方の出来る虚子の写生力は、今なお美しい。 風流懺法 大内旅館 三畳と四畳半 杏の落ちる音
明治7年松山生まれ。本名、清。子規、漱石、碧梧桐らと親交を結び、『ホトトギス』発行人となって今日の俳句隆盛の基礎を作る。「客観写生」「花鳥諷詠」など、広く老若男女に俳句を伝え広めると共に、多くの優れた俳句作家を育成した。文化勲章受章。昭和34年没、85歳。 「2021年 『進むべき俳句の道』 で使われていた紹介文から引用しています。」