山の絵本 (岩波文庫 緑 140-1)

著者 :
  • 岩波書店
3.60
  • (1)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 53
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003114018

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 40年近く前、関西学院大学グリークラブの歌う「尾崎喜八の詩」を聴いた。僕自身も数年前、自分の所属するOB合唱団でこの歌を歌った。山の景色と内省的な詩がしみじみと沁みた。
    岩波から再出版された本書を見付け、購入。
    昭和10年前後に書かれた登山行が中心。

    (引用)
    君の土地。それは無数の輻射谷に刻まれて八方に足を伸ばした、やはり火山そのものの肢体の上の耕地であったろうか。あるいは、もっと古く、埋積し、隆起した太古の湖底の開析平野と、その水田に、今、晩夏の風が青々と吹きわたる河成段丘のきざはしであろうか。

    この冒頭には、後の文章に期待したんだが。
    なんというか、ディレタントな処にうんざりした。ロマン派のクラシックに言及もあったが、シューマンやグリークの作品もわざわざ云うほどの内容があると思えない。セザンヌやゴッホについても同様。
    ヘッセやその他のヨーロッパの山の作品についてはよく判らない。正直、目の前の山にを語れば良いので、邪魔だと思う。

    書かれた時代が古いこともあるが、読みづらい文章だった。悪くはないんだが、もっと山の風景や風に酔ってみたかった。

    さて、尾崎喜八の詩は、普通に本屋の棚には見つからない。このブクログの検索では該当するが、アマゾンのお世話になってまで入手する気にならない。どうしたものだろう。

尾崎喜八の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×