遊仙窟 (岩波文庫 赤 35-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003203514

感想・レビュー・書評

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  • 唐代(7世紀頃)に書かれたとされる中国の伝奇小説。筋書きはいたってシンプル。主人公(作者)は出張の途中で仙境に迷い込み、そこで二人の美女にもてなされ、しっぽり一夜のお楽しみ(笑)という、まあ要約すればそれだけのお話。

    その時代の唐の富裕層の人たちというのは詩作や舞踊、武芸など一通りできて当たり前のようで、もてなしてくれる美女・十娘(じゅうじょう)とその兄嫁・五嫂(ごそう)に主人公は隙あらば詩(※漢詩)を送り、返礼もまた詩という高度なやりとり、しかしその中身は結構エロティックで、たいへん高尚で婉曲な下ネタのオンパレード。あまりにも高尚すぎて現代日本人にはピンとこない部分もあるながら、たぶんあれもこれもそれも全部シモネタなのだろうなということだけはわかる(笑)

    本文は100頁足らずだけど、同じくらいの量の訳注があり、さらに「醍醐寺蔵古鈔本影印」(※原本を写真撮影したもの)まで収録されているのだけれど、素人には勿体ない資料でとてもじゃないけど理解を深めるにはいたらず。残念ながらざっくり本編のストーリーを把握するのみで終わってしまったのだけれど、もっと漢詩を勉強していればさぞや読み応えがあろうという岩波文庫らしい内容。

  • 冒頭と結末はやたらシリアスな調子だが、中身は、押して、引いて、じらして、じらして、ついにやったぜ、のポルノの定石を技巧を尽くしてやりまくっている。本文の二倍になんなんとする分量の訳注解説その他を参照しつつ鹿爪らしくエロ本を読むという奇妙な体験。

  • 遊仙窟
    醍醐寺蔵古鈔本影印

    著者:張鷟(658-730、政治家)
    訳者:今村与志雄(1925-2007、東京、中国文学)"

  • 天平グレートジャーニーつながりで。

  • 比較的見過ごされがちなテキスト。日本の話?と思ってたらネタ元だったりする。

  • 影印も載ってるし、訳注も詳しいし、解説もガッツリだから使いみちのある文庫本。

    まぁそれは置いといて、内容はエロいよね。えろえろです。
    ずっと後半はずっと口説いてるだけ。
    詩とかよく出来てるんだろうけど、わからんもん。

    でもあの手この手で口説き落とそうとしたり、さらにはそれをあの手この手で断っていくのが、次々重なっておもしろかったよー。

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