曹操・曹丕・曹植詩文選 (岩波文庫 赤46-1)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (596ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003204610

作品紹介・あらすじ

「老驥 櫪に伏するも 志は千里に在り」——『三国演義』の物語により親しまれてきた魏の「三曹」。生涯を戦さの場に過ごした彼らは、中国の文学に新たな歴史をひらいた、すぐれた文人でもあった。甲冑の内に秘められた魂の震えを感じさせるような、真情あふれる詩文を選び、詳細な注を付す。諸葛亮「出師の表」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「個性」が発見された建安文学の支柱3人の詩文集。三国志の当事者が見て、感じて、考えて、発した言葉からは、その人が確かに生きていたという証と、三国時代の生の景色が直に伝わってくる。曹操・曹植の個人史と上表の文は、事件や天変や疫病など史書との一致が認められ、彼らを追体験するような感覚があったし、曹植が呉蜀との戦争に加わりたいと請う文面に、(孫権は当然として)諸葛亮の名が記されている箇所は、彼が実質上の蜀のトップとして認識されていた事を示す証言。特に曹植の文章からは、彼が詩才に長けつつも、イメージされがちな文弱の徒でなかった姿が垣間見られ、作者の個が発露する"文学"を見出せる。物語ではない、人間の声を聴くことが出来る「三国志」と言える一冊。

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2023年 『新釈漢文大系 詩人編7 杜甫 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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