- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003210727
感想・レビュー・書評
-
古代ギリシア時代の叙事詩人ヘシオドスの『神統記』に並ぶ代表作。弟に訓戒を垂れるという体の教訓叙事詩である。
複雑なギリシア神話の全体像を、神々の誕生系譜として初めて体系的に整理した『神統記』。ヘシオドスのもう一つの有名な作品である本作はそちらとは大きく異なり、農耕時代の労働の話題を中心に、怠惰な弟ペルセースに言い聞かせるありがた~いお説教となっている。とにかく働けばこんなにもいいことがあるぞ、神にも人にも愛されるぞ、とあおってくる(笑)。その圧倒的な正論にぐうの音も出ないところだ。エリスやパンドーラーの物語、人間の段階的な堕落を語る五時代の説話(黄金時代、銀の時代、青銅時代、英雄時代、鉄の時代)など、神話を引き合いに出して語るところが心憎い。具体的な処世術や人生訓などもしたためてあり、こちらは現代においても役に立つ部分があるかもしれない。
本書には「ホメーロスとヘーシオドスの歌競べ」という後世の創作も収録されており、こちらも興味深い内容となっている。いずれにせよ、古代ギリシア時代の雰囲気を知るには貴重な一冊だったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
労働することの重要性、怠けることがもたらす不幸を語り、労働を促す。他にも「妻はこんな人を選べ」といった結婚観も語られ、その中には現在のモラルでは炎上してしまいそうな意見も散見される。ただ、結婚は30歳でするのが良いなどの意見は現在の我々にも当てはまるため、ふむふむと心に刻めるフレーズもあるに違いない。
-
弟にあてた形のテキスト。それにしても構成がおかしい。いろいろ抜けたりしているのだろうな。
それにしてもこのタイトルはどうなの? -
10年ほど前に読んだ本の再読。古代ギリシャの仕事心構え系の本?人の悪口言うなとか、仕事の納期をダラダラ伸ばすなとか。2700年前でも変わらないんだな
-
古代から人は仕事について苦悩しながら生きてきたんだなあと思わせてくれる。
-
古代ギリシアの詩聖ヘシオドスの教訓叙事詩。神統記とともに著名な本作ですが、2800年ほど昔の教訓詩が現代にまで伝わるというところに人間存在の不思議さを感じます。
-
楽しい
-
明日やろうは馬鹿野郎!
仕事に向かうための心意気は古代も現在も変わらないようで。
古代のギリシャにおいて神々がどれだけ身近におり、
人々の考えの柱になっていたか考えさせられる。
個人的に興味深かったのは、詩人たちが神を信じていたであろうのに、わりと自由に神を創作していること。
それは自分が詩神の加護を受けているとまことに信じていたからだろうか。 -
仕事の尊さを詠った散文詩。穏やかに語りかけるような文体が好き。ところどころ言葉遣いにユーモアも感じられる。
時節に合わせた仕事の内容など、当時の農民の暮らしが具体的に想像できる部分もあっておもしろい。