- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003224014
感想・レビュー・書評
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無学な父ちゃんが家柄だなんだと言いさえしなければ。にしても、この作家のいかにも小説家然とした語りのうまさは大したものだね。神的視点から文章を書く技術は日本作家の及ばぬところだけれども、これは特にそう思う。
ところでこれ過去に読んでいるのだけれど、ほとんどまったく覚えていなかった。再読してよかったよ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時代、国、宗教が違うせいだと思うけど、主要人物皆、アホちゃうか〜、と思いました。
岩波文庫は文字が小さくて、年寄りには読みにくいので改善希望! -
テスの感情の揺らぎと大自然の風景が調和していて描写が美しい本だと思いながら読んだ。
でも、書かれた時代がゆえにあまりにも家父長制のダメージが大きすぎると思う(これがこの小説の醍醐味みたいなものなのだろうが)。美貌に恵まれて性格も良い(と見えた)テスは、あの両親の元に生まれていなければ、家のために稼ぎに出なければ、こんな運命にはならなかったのにと思うが、でも現代に生きる自分だって状況は違えど自分の選択次第で苦しくなったり楽になったりするわけであるから、昔も今も同じなのかなどと、とりとめもなく考えてしまう。
そして、テスを素晴らしい女性だとあまりにも神格化するように見たクレアが悪いのか、はたまた沈黙し続けたテスが悪いのか、上巻だけでも考え事が尽きない作品。 -
現代の日本では近所付き合いや家族、親戚関係が希薄になっていると言われているけれど、昔の濃厚な血縁地縁関係や家柄の貴賎などを考えると、今の時代に生まれて良かったと思う部分もたくさんある。
テスは昔の名家の末裔だということがわかったけれども、そんなことは知らずに、貧しくとも家族で支えあって暮らしていた方がどんなに幸せだったことか。子孫自身に忘れられた先祖なんて、いったい実生活になんの関わりがあるだろう。
テスは百姓娘だが毅然として誇り高いところがジェイン・エアを彷彿とさせる。ふさわしいプライドは人を魅力あるものにするのだと感じた。
エンジェル・クレアは因習に囚われない考え方を持つように見えるが、逆差別的な思考も垣間見え…。とてもすんなり幸せになれそうには思えない。どうなることやら。 -
新書文庫
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── ハーディ/井上 宗次&石田 英二・訳《テス(上)1891-19601005 岩波文庫》
http://booklog.jp/...
── ハーディ/井上 宗次&石田 英二・訳《テス(上)1891-19601005 岩波文庫》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003224019
Hardy, Thomas OM, 18400602 England 19280111 87 /余技=Violin
https://q.hatena.ne.jp/1252197253#a946701(No.6 20090906 23:12:41)
時が金になるとき ~ わたしの本棚から ~
…… 産業革命以前のイギリスでは、いまだ労働時間の概念がなく、
へとへとになるまで働くことが(老若男女を問わず)強制されていた。
http://q.hatena.ne.jp/1168420978#a662958(No.2 20070111 04:44:04)
ハーディ, Tomas(27)処女作『貧乏人と淑女 1867 執筆、出版ならず。
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=19460818
De'butante ~ 処女作(年令別)目録 ~
(20201002)
2020/10/02
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大学時代、卒業生の模範卒論の中に「テス」を扱ったものがあり興味を覚えた。しかしその後何故か手にする機会に恵まれなかった。
テスは間違いなく実直で賢い女性だ。実際これほど好感度の高いヒロインはなかなかいない。それでも自分の責任ではない罪のために、あるいは恋愛による動揺のために、まどろっこしい位に気持ちが揺れ動く。
賢い女性ではあるけれど、世間知らずからくる愚かな側面もあって、それがまた彼女の人物を生き生きと象っている。 -
[配架場所]2F展示 [請求記号]B-933/12/1 [資料番号]0000069585 [請求記号]B-933/12/1A [資料番号]2002110662 [請求記号]B-933/12/1B [資料番号]2003101159 [請求記号]B-933/12/2 [資料番号]0000069766 [請求記号]B-933/12/2A [資料番号]2002110663 [請求記号]B-933/12/2B [資料番号]2003101160
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暗くて暗くて読んでる間中気分が沈んでしょうがなかった本。上巻はテスが幸せになってとりあえず終わり。その先にひたすら絶望が続くだろうな、と思うと本当に気分が重くなって…。読むのやめたくなりました。
個人的にはキリスト教的な、というかヴィクトリア朝的な潔癖感が嫌いでした。うん、たぶんヴィクトリア朝独特の潔癖館なんでしょう。
女は貞操を守って教養があり夫をひたすら支えるものである、的な。
話の流れ的にもやっぱり処女であること、貞操を守ること、に比較的焦点があったかなぁ、と思います。
もちろんそれだけの話ではないのですが…私個人が処女崇拝てきなものが嫌いなものでそこにばっかり目が行きました。
(いや、処女崇拝ほどお節介なものはないって思ってます。)
テスの話の内容的に、こないだ?アメリカで「レイプでは妊娠しない、女が少なからず望んだから子供ができる」と宣言した
中絶反対派の政治家を思い出します。
すくなくともテスは確かに無防備であったのは事実ですが、本人が望んで行為に及んだわけでもなし、
しかも寝てる間に勝手に、なのにあそこまでずっとテスが責めつづけられなかった理由が私にはわからないですし、
あんまりにも男性が無責任すぎると思いました。
アレクは論外として、クレアがひたすら許せませんね。
心の底で思っていたって、表面でテスを傷つければ一緒なんですよ、と思います。 -
主人公のテスは好きです。
だからこそ悲劇なのがつらいです。