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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784003227664
みんなの感想まとめ
思想と物語が交錯するこの作品は、1914年に発表された時点で未来の核戦争の危険性を鋭く予見しています。ウェルズの独自の視点が反映されており、戦争や国家から解放された新しい世界秩序の必要性が強調されてい...
感想・レビュー・書評
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ウェルズの代表作であるタイムマシンや宇宙戦争といった作品の印象で読むと、かなり読みにくさを感じる作品。
小説のなかに思想が込められているというよりは、思想を無理やり小説としてまとめたという感じの作品だ。タイムマシンや宇宙戦争のようなものを期待して読むと面食らってしまう。
この小説が書かれたのは第一次世界大戦よりも前だそうだ。
そして、この小説のように実際に核兵器は落とされた。しかしこの小説のように現実はならなかった。
ウェルズの視点は納得がいくし、この小説のように世界が動いてもおかしくなかったのではないかと思う。
では何故そうならなかったのかというと、この小説のなかでは白人国家間で核戦争になっているが、現実では日本という非白人国家に落とされたからなのではないだろうか。
現代の戦争でも、欧米の戦争に対する支援は青い目の人間(白人)だから助けているのではないか? と揶揄されることがある。
ウェルズの未来予想のように世界が動かなかったのはそういう人種の問題があるのではないかと思った。
現代においても様々な場所で戦争は起きている。これ以上甚大な殺戮が起こる前に世界が手を取り合えるのを祈りたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1914年に刊行された作品。
後の世界人権宣言、日本国憲法にも繋がるウェルズの思想が詰まった本編の後に少々長い訳者浜野氏の解説がまた理解を深める。 -
マンハッタン計画に影響を与えたレオ・シラードが核兵器の可能性に戦慄を覚えたきっかけにもなったということで読んでみた。第一次世界大戦直前の核物理学初期黎明期に完成されている点に注目。 小説というよりはシナリオや思想を全面的に押し出した内容となっている。
核エネルギーの解放という意味での題名かと思っていたが、より本質的なニュアンスでは、国家主義や、人間の醜さからの解放といった内容になる。
ウェルズの思想がF・ルーズベルトにも影響を与えるなど、訳者による解説も納得させられるところはあった(天皇制についての扱いは革新主義が過ぎるが…)
ウェルズの平和主義として、強力な国際連合の創設、国家主義を否定する思想は、ユートピア感の中にも現実性が含まれており、新世界を構築する上で模範となる。日本国憲法のルーツとの訳者の主張も一理ある。 これらの事例について、より世界的に知られて行くべきだと思った。
ただ現実は残念ながら、イデオロギーや民族主義、大国の拡張政策などに振り回された、ウェルズ的には野蛮で低俗な世界のまま21世紀を経過してしまっている。
H.G.ウェルズの作品
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