夢の女,恐怖のベッド: 他6篇 (岩波文庫 赤 284-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003228449

感想・レビュー・書評

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  • 初めてのコリンズ作品だったけど、自分はこの手のストーリテラーというのが好きで、ミステリの元祖と言われている本書にすっかり魅了されてしまった。
    結末はありきたりだけど、ときおり恐怖を感じたりするものもあり恐怖小説も入っている。
    推理小説と主に銘打ってあるけど、先に書いた通り読んでいるうちに自ずと犯人が簡単に分かるんだけれど、その「私」という一人称と書簡形式、何よりも犯人が分かるんだけど、どう上手く巧みな筆使いで結末を迎えるかにかなり拘った作品で大変おもしろく読めた。
    一見して短編集として全く繋がりが無いように見えて、あとがきを読み、順番ではないけれど叢書のように繋がっているのがコリンズ作品であると知ったのも収穫。
    あとがきもとても読みやすかった。
    月長石は分厚かったりするので、サクッと読みたい人にはこちらがお勧めだと思う。
    現に初コリンズで本書を手に取ったのは良かったと思う。

  • 図書館でふと借りた本。

    ウイルキー・コリンズ…?って思ったけど、
    表紙にのっている説明をよく見たら、
    ああ!「月長石」の作者の方か!

    「月長石」…『史上屈指の探偵小説』
    『以後の推理小説に多大な影響を与えた作品』
    などなどの噂に魅かれ、
    我が本棚の一員になっていただき、
    そしてなっていただいたまんま、
    ページ数にして700ページあまりの厚みに怖気づき、
    持っては置き、持っては置きで、
    時は流れ流れて幾年月、未だ読んでいなくて本当にすみません。
    (なんだか最初がねえ…途中からグーンと面白くなって
    そこからは一気に…と聞いておりますのですがねえ)

    今回読了のこの本は、
    ユーモア的、切ないお話、
    様々なタイプの短編が収められている。

    「家族の秘密」
    この叔父さんの気持ちがわかる私で良かった。
    地位や名声やお金やなんかは、
    一切あの世にはもっていけないんだぜ。
    愚かな自己保身はするまいと、自戒を込めて。

    「探偵志願」
    なんらかの強力なコネで探偵となった男と
    紹介者の警部の往復書簡!
    探偵となった男のスットコドッコイ振りが見もの。

    そして、「黒い小屋」は展開が少女小説のよう(!)、
    途中の大変ドキドキする緊迫したシーンに心奪われ、
    帰宅する電車の中で読んでおりましたが、
    夢中になって危うくBBの駅で降り損ねそうになってしまった!

    最初の方にウイルキー・コリンズさんの写真が載っている。

    「へー、へー、こんな厳めしいお顔の髭モジャな人が
    乙女チックなお話を、ねえ!」と楽しい気持ちに…

    で、この髭モジャ具合、どこがで見たことが…
    他の作家の写真?音楽の教科書?
    この時代に流行ったスタイルなのかしらん?

    「夢の女」も、「恐怖のベッド」も、
    どれもこれも、うん、面白かった!

  • あっという間に読んでしまって、ちょっと勿体なかった。と思わせてくれる短編集。
    手に取った時はホラーの類かなと思ってたんだけど、読み終えてしまえば、瑣末な事でした。

  • ミステリ小説の走りの様な作品が多い中、表題作の一つ「夢の女」がホラー仕立てで印象に残った。

  • コリンズに罪はない。ゆるゆるとした語り口だが、サスペンス、ミステリ、立派に面白い。が、訳が意味不明な箇所が多々有り、私が阿呆なのだろうかと思った。もったいないです。

  • 『恐怖のベッド』
    フランスの怪しげな賭博場に友人とやってきた「私」。調子にのり勝ち続ける「私」。勝負をやめるように忠告する友人。友人は説得をあきらめ先に帰宅する。勝負を続け「古参兵」と仲良くなった「私」。酒を飲み過ぎ帰れなくなった「私」を宿屋に案内し珈琲を飲ませた「古参兵」。眠れずに火矢を眺めていた「私」が発見した部屋の異変。

    『盗まれた手紙』
    婚約者であるスミス嬢の父親がかつて行った不正の証拠の手紙を男ダヴェイジャー氏から強請りを受けるフランシス・ガトリッフ。相談を受けたフランシスの弁護士。ダヴェイジャー氏のメモに残された「縦5 横4」に隠された秘密。ダヴェイジャー氏の部屋に侵入した弁護士の発見。

    『グレンウィズ館の女主人』
    ガースウェイト氏が語るグレンウィズ館の女主人ミス・ウィリンの過去の秘密。館に住む少女。アイダ・ウィリンの妹ロザモンドが結婚したフランヴァル男爵。結婚後に発覚したフランヴァル男爵の正体。

    『黒い小屋』
    石工の父親が人里離れた荒野に建てた黒い小屋に住む少女。乳母姉妹であるニフトン夫人。父親が一夜留守にする日に黒い小屋を訪れたニフトン夫妻。少女に預けたお金。金を目当てに小屋を襲う男たち。少女による防戦の結末。

    『家族の秘密』
    幼いころから可愛がってくれたジョージ叔父さん。一族からバカにされる存在だったジョージ叔父さん。チャールズの父親の助手として医療活動を行う。チャールズが伯母の家に滞在した1年の間に姉であるキャロラインが死んだ。消えたジョージ叔父さん。家族の中でジョージ叔父さんの話題が禁じられた謎。

    『夢の女』
    馬車を都合するために訪れた宿屋で語られるアイザックの過去。アイザックの誕生日の夜中の2時にあらわれる女の謎。旅の途中で最初にあらわれた女。女の話を聞いた母親の驚愕。夢の女に似た女と結婚したアイザック。彼女が持つナイフの秘密。

    『探偵志願』
    ヤットマン氏の家から盗まれたお金200ポンド。容疑のかかった同居人ジェイ氏の行動。自尊心の強い間抜けなシャーピン刑事の推理。警視と刑事の書簡。ヤットマン夫人の美しさに魅かれてしまうシャーピン刑事。パルマー部長刑事の推理。

    『狂気の結婚』
    アメリカに渡ったメアリーからの手紙。精神病院に入院していたローランドとの結婚に隠された秘密。

  • つまんないわけではないが、読むほどではなかった。

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著者プロフィール

1824年ロンドン生まれ。法律家修業を経て、20代後半から作家活動に入る。30代半ばで発表した『白衣の女』によって一躍脚光を浴び、1860年代に大流行したセンセーション小説の礎を築いた。代表作は、『白衣の女』の他、『ノー・ネーム』『月長石』などで、後者は世界最初の長篇推理小説としても有名。1889年没。

「2018年 『ヴィクトリア朝怪異譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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