ブラウニング詩集: 対訳 (岩波文庫 赤 290-1 イギリス詩人選 6)
- 岩波書店 (2005年12月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003229019
作品紹介・あらすじ
テニスンとともに英国ヴィクトリア朝を代表する詩人ロバート・ブラウニング(1812‐1889)。上田敏の訳詩集『海潮音』(1905年)に収められた短詩「春の朝」の最終行"すべて世は事も無し"はとりわけ名高い。"劇的独白"と呼ばれる独自の表現形式で人間心理の機微を巧みにあらわし、新境地を開いた詩人の代表作40篇を収録。
感想・レビュー・書評
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なんだかとてもあっけらかんとしていて意外だった。恋人がすきすき!って歌い上げていたと思ったら彼女の髪で絞殺しちゃったり、頭がおかしいのに明朗という新ジャンル。
頭がおかしくない詩のなかで、ホメーロスを読みなさい、とお父さんに導かれる「成長」がよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全て世は事もなし
が、やたらと記憶に残っていたので。
近頃やけに詩が読みたくて、美しくて煩雑で難解なのがいいなぁと思ったのだけど、何を手に取ればいいかわからなかった。
煩雑でも難解でもないけど、なかなか美しいと思う。
たぶん美しい言葉を探したかったのかもしれないな。
もっと古い訳ならさらに良かったのに。
もっとオーバーで堅苦しいのが読みたいなぁ。
すこしリアルすぎたわ。
でも春を語るところはやっぱり美しくてとても良かった。
最後の遠乗りは長いと思ったけど、ちょっと感動してしまった。
愛ばっかり語ってるのかと思ったら、意外と勇壮なのも皮肉なのもあった。
当人はいたってまともな人だったというから、詩人ておもしろいね。
もちょっとぶっ飛んだ感性の詩が読みたいなぁ。 -
ああ、なんていうか、激情だなあ。このテンションは現代日本の若者にはなかなか出せない……なんて余計なことをぼやきつつも、楽しみました。逃げてないで、たまには古典も読まないとなあ。
しかし、良かったのは良かったんだけど、目当ての詩の訳がいまいち……分かりやすいんだけども、語感がなんだか微妙でした。
私は平素からあまり詩を嗜んできていないのですが、むかし読んだエッセイや好きなマンガなどで、何度か引用されていた詩がすごくインパクトに残っていたんです。『春の朝』という有名な詩。
わたしが好きだった訳は、上田敏さんというかたの古い訳みたいで。『海潮音』という訳詩集に収録されているので、そちらを後日購入することにしました。