ブレイスブリッジ邸 (岩波文庫 赤 302-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003230251

作品紹介・あらすじ

英国の牧歌的な風景と伝統的な風俗風習を背景に展開する、米国ロマン派の巨匠W・アーヴィング(一七八三‐一八五九)の傑作。ブレイスブリッジ邸での婚儀に招かれた語り手が、邸に集う人びとのさまざまな姿や悲喜こもごもの出来事を丹念に見聞きして語る。本邦初訳。

感想・レビュー・書評

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  • たくさん挿絵が入った、心を慰撫する連作短編。イギリスの平和な村の地主さんの家に滞在する主人公が、地主の一家や村の人々についてゆったりのんびり観察して語る。特段のストーリーはなく、何事も制御可能な範囲のうちにあり、ぎょっとしたり自分を振り返ったりを強いられない。そういうのはつまらない、という人は多いだろうし、自分でもつまらないと思う時期があるかもしれない。でも、心が疲れているときに読むにはとてもよかった。陽がさんさんとさす美しい田園風景の中に、自分を憩わせるよろこびがあった。毎日少しずつ読んだ。

  • 19世紀イギリス、地主を中心とした片田舎での日常が穏やかに、愛着をもって語られている。特に挿絵が当時の雰囲気をそのまま伝えていてとても良かった。有閑階級だけでなく、村の教師やジプシーといった人々の描写も丁寧。

  • 欲しい本。

    19世紀英国の牧歌的生活を描いた物語。
    ランドルフ・コールデコットという人のの魅力的な挿画がふんだんに入っているらしい。

  • よかったです。挿絵も素敵。1817年にW・アーヴィングが英国の詩人スコットの邸宅に招待され、その見聞を元に書かれたらしいです。「スケッチブック」の続編の趣。1817年といえば、ミス・オースティンの亡くなった年。作中の地主の愛する古き良き昔の習慣とか、古風な暮らし方って、リージェンシーの風俗習慣かしら?総て手作業の時代ですから、下層階級の労働は大変なものだったに違いないのですが、豊かな地主や大きな自作農の暮らしはゆったりしていて、楽しみに満ちています。「スケッチブック」は中学生の頃読まなくてはならなくて、文庫を買ったはずですが、「リップ・ヴァンウィンクル」しか覚えていません。もう一回読まなくては!

  • 古き良きイギリスの田舎の大地主と村の人々の話。作者のアーヴィングは、起伏のある物語ではないけど、丁寧に人々の暮らしぶりを描いている。上手い作家だと思った。
    そういえば、カズオ・イシグロも『日の名残り』でイギリスの昔の執事を書いてたなぁ。
    貴族とか執事がいた世界は、もはや今となっては、アーヴィングが考えたように、ほとんど跡形もなくなってしまったのかもしれない。でもこの作品を書いてくれたおかげで、自分たち後世の人間が少しでも知ることができる。そういう意味で、本にして残す、というのは素敵なことだと思った。

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