ゲーテとの対話 上 (岩波文庫 赤 409-1)

  • 岩波書店
3.77
  • (39)
  • (42)
  • (51)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 957
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003240915

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 素敵な記録。
    ゲーテ更年期の朗らかな人柄がエッカーマンの文章からよく伝わってくる。
    目の前にゲーテがいるかのような読書体験。
    その聡明さと多角的な視点から物事を語る近代文学の大家に接近できて嬉しいです。
    中、下も早く読みたい。

  • 線を引きたい名言の嵐・・・。
    ゲーテの人柄にも惹かれるが、エッカーマンの誠実さというか勤勉さというか、真面目な熱意に、襟を正す思いがします。

  • 第一部

    まえがき

    序 章(エッカーマン自伝)

    一八二三年

    一八二四年

    一八二五年

    一八二六年

    一八二七年

    フラウエンプラーン街のゲーテの家について

  • 2004/07/08読了

  • 知的好奇心の重心を作ってくれる至宝といえる価値を持つ古典。何回も読んですっかり暗記してしまうくらいめくり貫きたい。知識を徹底するためには、記憶というものが不可欠。〈覚える⇔忘れる〉を何回も繰り返して、ようやく反射できるレベルで覚えられる。そしてわたしのような普通の人間は、反射的に無意識的に思い出せる知識であって初めて日常生活における具体的問題において使いこなすことができる。よって目標を達成するために行動を開始することは、基礎を盤石にするために、必要最小限の範囲を何回もやり貫いて血肉にしてゆくことに等しい。

  • 岩波文庫 ゲーテとの対話 上巻。1823年〜1827年のゲーテの言葉をまとめた本。


    ゲーテの人生戦略がよくわかる。仕事にしても、人生にしても、対象を小さく絞ったり、自分を限定して他から隔離したり、一つの専門に限定し通暁したり、小さいことからコツコツやる感じ。


    芸術論にも 差別戦略がよく現れている「特殊なものを描写することが芸術の生命である〜一般的なものは誰にでも模倣される。特殊さが人に受け入れられないか心配する必要はない〜どんな特異なものでも普遍性を持っている」


    ゲーテの他人、世界、結果に期待していない言動は好感が持てる
    *そう簡単に平和はこない。世の中は謙虚になれるような代物ではない
    *他人を自分に同調させるのは馬鹿げている
    *性に合わない人たちと付き合っていくことで〜誰とぶつかっても、びくともしないようになる
    *正しい行動が 好ましい結果をもたらすとかぎらない

  • この本の特異なところとしては、
    「対話」とありながら、プラトン著作集のような人物同士の「」の応酬ではなく、
    一貫してエッカーマンの視点から、エッカーマンの心情をも織り交ぜて、ゲーテと対話を行なっている点だ。

    このエッカーマン自身の文章の面白さに加えて、着眼点が非常に良い。
    お陰でゲーテという人物から放たれる言葉が綺羅星のごとく、鋭く、ときに深く、ときに含蓄の深さからくる重さから、唸ってしまう。
    また、エッカーマンのゲーテへの心酔ぶりが、作品にさらに熱を帯びさせている。

    ゲーテが、数々の偉大な精神たちと対話を重ねてきたことがよくわかる。
    なぜ、ゲーテの「ファウスト」がこれほどに時を経た今でも残っているのか?
    その根源的なものはなんなのか?

    もっと言えば、
    そんなゲーテのように歴史の各時代の中でも一線を画する人たちの共通項はなんのか?

    その問いに深い洞察を与えてくれる書物だ。


    抜粋
    「人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ」

  • 前々から読んでみたいと思っていたが難しそうなのでついつい敬遠しがちだったのだが、三島由紀夫のインタビューをYouTubeで見たときに「畏敬の念を抱く作家は誰ですか?」と聞かれた時にまず最初にゲーテの名前が出てきたのでそんな事もうっすら気になってついに初めて手にとって読んでみた。エッカーマンがゲーテとの対話を収めた三部作の上。この頃のゲーテはすでに最晩年にあたると思うのだがまだ若いエッカーマンに対する姿勢など非常に芸術に対する姿勢が純粋であるというイメージを抱いた。そしてちょくちょく法務大臣がゲーテの館を訪れたりこの時のゲーテの境遇というのが一体どういうものなのか気になった。何やらすごく盤石な様子なのは窺い知れた。特に感銘を受けたところ→「比較的才能のとぼしい連中というのは、芸術そのものに満足しないものだ。彼らは、製作中も、作品の完成によって手に入れたいと望む利益のことばかり、いつも目の前に思い浮かべている。だが、そんな世俗的な目的や志向をもつようでは、偉大な作品など生まれるはずがないさ。」とか「もし自分の生まれつきの傾向を克服しようと努めないのなら、教養などというものは、そもそも何のためにあるというのかね。他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。(中略)またそれによってのみ、はじめて多種多様な性格を知ることもできたし、性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通してわれわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺戟されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。」とか「われわれは、朝起きたときが、一番賢明である。が、また、一番心配も多い。というのは、心配はある意味で賢明と同義だ、それは、受け身の賢明さだろうが。愚者は決して心配をしない。」など。「われわれはただ、黙々と正しい道を歩みつづけ、他人は他人で勝手に歩かせておこう。それが一番いいことさ。」「人を楽しませることができるのは、その人が楽しいときだけだろう。」などなどとても難しい印象ではあるが読めるところも少なからずあった。続きも挑戦してみようと思う。

  • 含蓄のある言葉が多いが、自分でまだ消化できていない。

全51件中 1 - 10件を表示

エッカーマンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
遠藤 周作
ルース・ベネディ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×