肝っ玉おっ母とその子どもたち (岩波文庫 赤439-3)

  • 岩波書店 (2004年4月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784003243930

みんなの感想まとめ

戦争という厳しい現実の中で、人間の美徳や誠実さが試される物語が描かれています。主人公である「肝っ玉おっ母」は、戦争に翻弄されながらもしたたかに生き抜こうとしますが、彼女の子どもたちはそれぞれ異なる美徳...

感想・レビュー・書評

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  • 反戦の思いと戦争商売人としての気持ちの矛盾がうまく描かれている。

  • ブレヒト演劇の特徴として何かと言及される「叙事演劇」「異化効果」。その醍醐味を分かりやすく味わえる一作。

    この場合の「叙事演劇」とは、「歴史上の出来事を」扱ったと言う意味のみならず、およそ「(登場人物に感情移入してカタルシスを体験することを拒み、むしろ舞台を出来事として(批判的、冷ややかに)鑑賞することを狙った演劇」とでも理解してよいだろう。ヒロインのアンナの造形は魅力的だが、その内面に立ち入るしかけはほとんどないといっていい。

    「異化効果」も、現実世界の常識や人々が抱く期待を、反転して観客や読者に提示することだといってしまっていいと思う。本作の場合は、もちろん「戦争あっての平和」という観点。訳者が解説で適切に指摘しているように「平和が勃発」すると商売がうまくいかないと右往左往するアンナが愚かしくも興味深く描かれている。

    さすがの名作といったところ。

  • 肝っ玉おっ母は商人、戦争に乗じて一儲けしようと企み戦地をかけまわる。
    彼女は戦争の中で子供をひとりまたひとりと失うが、最後のひとりまで失って、戦争を罵りながらもまた戦地へと商売に行くのだ。
    ブレヒトの目的とするところである異化、それは充分このテキストで実践されている。
    これは子を亡くした母親の悲劇などではなく、学ばない愚かな母親としての像が意図されていることが伝わってくるからだ。
    理論上は異化はスバラシイことだとは思うが、実際問題として叙情的演劇は観客に対してどれほどのメッセージ性を持つのか?
    行動を促すということだったが、人は自分に身近な問題だと感じた時以外は腰の重いもの。
    可能性が充分にある演劇だということは伝わってきましたが、実際に可能なんでしょうかね。

  • まだ読んでないけど、いいタイトルですね。

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著者プロフィール

1927年生まれ、ドイツ文学者、演出家。1951年東京大学文学部独文科卒業、学習院大学名誉教授。日本に最初に『三文オペラ』を翻案紹介した千田是也に師事し、ドイツ演劇の研究と評論で国際的に名を馳せた。ブレヒト研究の第一人者で、1999年「ブレヒト戯曲全集」の翻訳で、日本翻訳文化賞、湯浅芳子賞、レッシング翻訳賞を授与される。2012年には瑞宝中綬章を受章。著書に「ブレヒトと戦後演劇 私の60年」(みすず書房)など多数。2013年に死去。

「2025年 『ユリウス・カエサル氏の商売』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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