モーパン嬢 上 (岩波文庫 赤 574-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003257456

作品紹介・あらすじ

画家であり詩人である青年ダルベールを虜にした騎士テオドールの正体は?精妙巧緻にからみあう熱烈な二重の愛の物語は、破格の小説技法と華麗な描写で世間の意表をついた。「序文」は若きゴーチエがロマン派の宿敵に投じた芸術至上主義宣言として名高い。

感想・レビュー・書評

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  • まず作者自身の序文がたっぷり80頁(おもに批評家への不満・苦笑)さらに本文始まっても肝心の「モーパン嬢」は一向に登場せず、自称詩人の青年貴族ダルベール君が友達にあてた手紙での中2的理想を延々読まされるだけという面倒くささ(笑)とりあえず上巻読み終えてもまだ「モーパン嬢」は登場しません(正確には終盤でやっと出てくるんだけどまだ正体を明かしていない)。私はロゼット嬢すごく好きだけどなー。ダルベール君は恋愛に夢見すぎ。

    以下ダルベールくんが親友あてに書き綴った手紙を現代語意訳すると「俺、最近めっちゃ彼女欲しいんだよね~いや今まで適当に何人かつきあったことはあるけど、もっと運命の女が俺を待ってると思うんだよね、てかでもとりあえず今すぐ彼女欲しいんだよね~」的なとこから始まり、次の手紙では「こないだCっていうツレの紹介で美人が集まるパーティに行ってさ、ちょっと頑張ったらあっさり美人の彼女ゲットできたわ!ロゼットっていうんだけど、今めっちゃラブラブで毎日やりまくってるwww」というわけでしばらくラブラブ自慢が続き、やがて倦怠期、「今の彼女に不満はないけど、やっぱ俺の運命の女は他にいると思うんだよね。だから今カノと別れたいんだけど、正直、次の女見つけるまで1~2か月ヤれないとか拷問じゃん?別れたいけどエッチはしたいから別れられないんだよねー。つうかさ、俺もともと面食いじゃん?そこそこ美人見ても全然ときめかないんだよね、俺の理想に叶う女は二次元にしかいないんだよ。いや俺自身もそんなイケメンじゃないよ?もっとイケメンに生まれてたら人生変わってたと思うよ?でももっと超絶美人の彼女が欲しいんだよね~」ときて、さすがに読んでるこっちは「ええ加減にせえよ!!!(怒)」となってきます(笑)さてこんなダルベール君が下巻ではどうなるのでしょう。

  • 唯美主義のマニフェストということで、本書の序文を読んで見た。期待していたのとは違って、最初これのどこがそのマニフェストなのか首をかしげたが、なるほど批判という消極的な方法ではあるが、たしかにそう読める。しかし何よりも、ゴーティエの博覧強記に舌を巻いた。それはとりわけ古典古代に対してよく現れている。思いがけない刺激となった。

  • ゴーチエはもっと評価されるべきでは。

  • なんつー勘違い野郎なダルベールの書簡から第六章でゴーチェの本気を見た
    ロゼットいい女すぎる
    そして六章のロゼットの告白が素晴らしい
    本当にいつの時代でも同じですね
    私のまわりにも二三人ロゼットがいる
    よくあることよくあること

    「わたしは恋愛でも他のことでも無欲なの。――愛を利子付きで貸すなんて、嫌なの。わたしの愛は純粋な贈物よ」

    「あなたと出会ったことは、なんという不幸!それなのに、もしやり直すとしたら、やはりまたあなたと出会いたい。――わたしは、あなたのつれない態度でも他の人の熱い恋よりも嬉しかった。(中略)ほんとに不幸な恋だけど、でも愛されずに愛することにも、物憂げな深い魅力があるのよ。自分を憶えてもくれない人をいつまでも忘れないのは、美しいことだわ」

    可愛すぎるロゼット!ただの淫蕩な子かという印象から六章のこの告白で大逆転ですね。

    一貫して耽美な世界。ダルベールが「幸福には当然淡い色が似合う。――幸福のパレットに載るのは、水の緑、空の青、藁の黄色だけ。」と言っていたけどまさにそんな色の小説。
    新訳読みやすいですね。
    下巻たのしみ

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