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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003260579
作品紹介・あらすじ
初版: 昭和12年
感想・レビュー・書評
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ゴーゴリの故郷ウクライナの民話や伝説集。近頃政治的なニュースで耳にすることも多いウクライナですが、ゴーゴリの描くウクライナは古き良きコサック人の時代の、たくましくも陽気な庶民たち。そして当たり前に存在して、ユーモラスなこともあれば、恐ろしい場合もある悪魔や魔女(妖女)たち。
前編の収録作は「ソロチンツイの定期市」「イワン・クパーラの前夜」「五月の夜(または水死女)」「紛失した国書」の4つ。偶然か、最初の3作はいずれも「可愛い女の子との恋路をその親に邪魔されている若い男が、恋をかなえるために悪魔もしくは幽霊とかかわる」話でしたが、テイストはそれぞれ。
「ソロチンツイの定期市」は、悪魔の噂を利用してまんまと好きな娘と結婚した男の一種の滑稽譚。一方「イワン・クパーラの前夜」は悪魔と魔女にそそのかされ、恋人の弟を生贄にして願いを叶えるも、結局発狂してしまった男の怪奇譚。「五月の夜(または水死女)」では、水死した少女の幽霊が、恩返しに男の恋を手助けしてくれる、幽霊譚なのにほっこり系。「紛失した国書」だけは既婚者の男が主人公で、悪魔に奪われた国書を取り返すために魔女とトランプで勝負して帰還する冒険譚。
岩波文庫のリクエスト復刊なので、翻訳も古く、旧字で読みにくいのが難点ですが、目が慣れてくればまあそれも作品と合った味わいになってくるかな。
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