- Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003273111
感想・レビュー・書評
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別働隊を使った作戦有り、伏兵を用いた計略有りと、戦記物として面白い。これだけの作品が平家物語より前に成立していたとは、スペイン恐るべし。当時の戦争や裁判の「約束事」も注釈で解説されている。
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2014/10/4
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(2005.06.16読了)(2005.05.25購入)
4月30日午後、義経の再放送を見た後、NHKBSで、映画「エル・シド El Cid」をみました。
最初の20分ほどは見ていないのですが、4時半過ぎまでの3時間もかかる映画でした。
辞書で引くと以下のように出ています。
〔本名 Rodrigo Díaz de Bivar〕(1043頃-1099) 中世スペインの英雄。カスティリャ軍総帥。アルフォンソ六世の不興を買って追放され、部下を率いバレンシアをイスラムから奪回。その後もイスラムに抗して活躍。その事績は伝説化され、1140年頃にはスペイン最古の文学作品「わがシードの歌」が成立。
名前だけどっかで聞いたことがあるけど、何時の時代のどこの人で、何をした人かも知りませんでしたが、映画で勉強しました。適当な本を検索してみたけど見つかりませんでした。
以上が、映画を見たときのメモですが、エル・シドでは、検索にヒットしなかったのですが、その後、エル・シードで検索したらこの本がヒットしたので、購入しました。「わがシッドの歌」という題名で翻訳されているのもあります。シド、シッド、シードと読み方が3種類もありますので、注意が必要です。
シードというのは、「主人、主君、頭領」を意味するアラビア語から作られたスペイン語だそうです。物語の中で、主人公は、ミオ・シード・ルーイ・ディーアスと書かれていますが、ミオは私のという意味のスペイン語です。ルーイは、ロドリーゴの短縮形です。英語で、RobertがBobと呼ばれたり、WilliamがBillになったりするのと同じです。
●第一歌
1086年ごろスペインは、南半分をイスラム教徒(モーロ人)に占領されていました。アルフォンソ六世に追放されたエル・シードは、妻子を修道院に預け、慕ってくれる部下たちとともに、モーロの国を目指します。そのためには、資金が必要なので、櫃を二つ用意し、中に砂を詰めて、金貸しのところに持って行かせて、追放されたので、財宝を一時預けるから、少し金を貸してくれとお願いさせます。絶対に櫃の中を開けてみないようにと約束させ、開けてみたら利子は払わないと言い渡しました。
モーロ人の国を征服しながら進撃を続けます。
●第二歌
バレンシアまでたどり着いたエル・シードは、アルフォンソ六世に使者を送り許しを得ます。その結果、妻と娘たちをバレンシアに連れて帰り一緒に暮らすことができるようになります。アルフォンソ六世の発案で、娘たちを、貴族の息子たちに嫁がせることにし、バレンシアまで連れてきて過ごします。
●第三歌
婿たちは、戦闘の際、勇敢に戦うことができず、周囲の目が哀れんでいるように思われ、故郷に帰ることにします。もともと、エル・シードの財産目当ての結婚ですので、エル・シードからの餞別をもらったら、嫁たちには用はないので、故郷に帰る途中、エル・シードの娘たちに乱暴を働き、置き捨てて帰ってしまいます。
エル・シードは、国王に、訴えて、与えた財産を返してもらうとともに、部下たちが元の婿たちに決闘を申し込み、敵をとります。
残念ながら、映画のエル・シドとは、話の内容がだいぶ違いました。映画のエル・シドでは、娘たちは、幼い二人でした。ですから婿取りの話はありませんでした。また、映画の最後では、モーロ人との戦いで、深手を負い、それでも見方の士気を鼓舞するために、戦場に出て行き砂浜をどこまでも馬で駆けて行く場面でおわります。
内容紹介(amazon)
謀略によって追放の刑を受けたエル・シードは,妻と娘たちを修道院に残し,騎馬の一団を従えて出国する.だが国王への忠誠は終生変わることなく,歴戦の末,モーロ王国の大都を攻略し,最高の栄誉を獲得した.レコンキスタ期の史実をもとに伝説的英雄を描いたスペイン文学最古の武勲詩は,当時の人々の姿を直截的に活写する. -
スペイン最古の文学といわれる。作者不明の武勲詩・英雄叙事詩。私は武勲詩苦手って事が判明。