養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫 青 10-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003301012

作品紹介・あらすじ

「珍美の食に対するとも、八、九分にてやむべし。十分に飽き満るは後の禍いあり」。現代人にも耳痛いこうした文章で成りたつ『養生訓』は、健康・長寿を保つための心がまえ、具体的な食餌法を述べ、今もなお示唆に富む。『和俗童子訓』はわが国最初のまとまった教育論。両書とも江戸時代広く庶民の間に読まれた。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706427

  • 江戸時代前半の時代を生きた貝原益軒(1630年12月17日~1714年10月5日)。儒学者としても著名であり、生涯に渡り著した書物の数は六十部二百七十余巻に及び、様々な分野に博識であったそうです。益軒が著した書物の中でも、最も多くの人に親しまれ、そして今日まで彼の業績を語る上で最も有名なものが、『養生訓』ではないでしょうか。
     彼自身は83歳の天命を全うしましたが、当時としてはかなりの長命であり、また、最後まで健康であり、まさに“長寿を全うする”ことを自ら体現したともいえます。
     『養生訓』の内容は平易なことも多いのですが、改めて読むことでその平易さの中にある奥深さを知ることができます。人が健康に一生を過ごすということは、江戸時代にあっても、現代にあっても容易なことではありません。しかし、貝原益軒は自ら実践して養生の大切さを現代に伝えています。
     現代に生きる知恵としても、とても役に立ち示唆に富んだ内容になっています。益軒は医学を専門にしたわけではありませんが、『大和本草』を現したり、また『養生訓』の中でもいくつか中国の古医書を引用していますので、その内容には信頼性があり、東洋医学の基本的な見方を知ることもできます。初心者的に読むこともできますし、ある程度知識が豊富になったところで読み返しても新たな発見がある本です。


    『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』内レビューへ
    http://hariq-study.genpoudou.com/hariq-books/books_toyo14.html

  • 青10-1

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著者プロフィール

貝原益軒

一六三〇年生まれ。江戸前期から中期にかけての儒学者、博物学者、教育家。筑前福岡藩主黒田家に仕えた。藩費で十年間京都に遊学する間に、朱子学者、博物学者と交際し、上方に興りつつあった経験・実証主義思潮に触れたのが、その後の学風に生かされた。膨大な編著は各方面にわたり、儒学では『大疑録』、博物学では『大和本草』『花譜』『菜譜』などが知られる。晩年には『養生訓』『大和俗訓』など多くの教訓書を書いた。一七一四年没。



松田道雄

明治四十一年(一九〇八)、茨城県生まれ。昭和七年、京都帝国大学医学部を卒業、小児科教室に入る。昭和十二年より府立西ノ京健康相談所に勤め、結核患者の診療をおこなう。昭和二十二年に京都で小児科を開業。診療のかたわら、ロシア思想を学び、思想史家としても知られる。著書に『私は赤ちゃん』『育児百科』『洛中洛外』など多数。平成十年(一九九八)没。

「2020年 『養生訓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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