兆民先生 他八篇 (岩波文庫 青125-4)

著者 :
制作 : 梅森 直之 
  • 岩波書店
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003312599

作品紹介・あらすじ

大逆事件で非業の死を遂げた幸徳秋水(1871-1911)は、明治の自由民権思想の指導者・中江兆民(1847-1901)に、18歳の青年時代から、兆民の最期まで師事した。秋水による兆民の回想録は、思想家・秋水自身の形成を明らかにする。日本近代思想のドキュメントであり,明治文学の名作。「兆民先生行状記」など、兆民に関する随想八篇を併載。

感想・レビュー・書評

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  • 祝復刊

    幸徳秋水「兆民先生」「兆民先生行状記」 政府を恐れさせた「言葉」|好書好日(2020.03.26)
    https://book.asahi.com/article/13237077

    兆民先生 他八篇 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b623486.html

  •  「描く所何物ぞ、伝記乎、伝記に非ず、評論乎、評論に非ず、弔辞乎、弔辞に非ず、惟だ余が曽て見たる所の先生のみ、余が今見つゝある所の先生のみ、余が無限の悲みのみ、余が無窮の恨みのみ、之を描きて豈に能く描き尽すと曰はんや、即ち児女の泣に代へて聊か追慕の情を遣るのみ」

     齢18で兆民に師事し、その死を看取った秋水が、兆民を悼んで書いた「兆民先生」その他の文章が収録されている。引用した冒頭近くの文章を読んだだけでも、秋水の兆民先生に対する敬愛の念がひしひしと感じられる。そしてまた、世間的には成功者とは言えない兆民ではあったが、その生き方、考え方の真髄が、秋水の筆を通して読む者に畏敬の念を覚えさせる。


     秋水の文章は非常に引き締まった漢文体で書かれたものであるが、120年ほど前のこの文章を読むことはできるけど、自分では絶対に書けない。文化の断絶だが仕方ないのだろうな。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/787253

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幸徳秋水の作品

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