君たちはどう生きるか (岩波文庫 青 158-1)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003315811

感想・レビュー・書評

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  • コペル君とそのおじさん、そしてコペル君の友達との関係から作者の思いを伝える小説調の教育本です。
    大学生となった僕としてはコペル君ではなくそのおじさんに魅力を感じました。自分の子供に正しいことを伝えることができる親になりたいと思いました。
    子供だけでなく大人にも読んでいただきたい作品です。

  • 少し古い本なので読みにくいかと思っていたのですが、そんなことはなくスラスラと読むことが出来ました。あとがきにも書かれていますが、少年図書の古典にふさわしい内容だと思います。ただ、自分が中学生のときにこれを読んでいたら大きく影響されただろうかと考えると、そうでもない気もします。例えば、6章や7章の部分は後悔に関して書かれていますが、大人になるまでに同じような経験をすることで、より共感できるのではないかと感じます。今日日、漫画や音楽やドラマの中で『人生は1度きり』なんて言葉は腐るほど出てきますが、実際分かったつもりでいても、経験してハッと気づかされることは多々あります。そう意味では、子供だけでなく、大人も読むことで自分の人生感を改めるには十分な内容が含まれていると思います。賢者は歴史に学ぶといいますが、この本に共感できる子供達は立派な大人になれる素質を秘めているのでは?と思いました。

  • 主人公コペルくんが素朴に気づくこと、一生懸命葛藤し考え気づくことは、普段誰もが日常を生きながらさらっと流してしまっていることで、いざそれらと向き合おうとするとすごく労力がかかり、苦しい作業になることだろう。

    日頃から、何事についても一つ一つ考え、正しく、良き人に、ということは到底できないと思うが、せめてたまには立ち止まり自分の考えに思いを深め、行動の一つ一つを見つめてみる時間を持ってみたいものだと感じた。

    またその見つめたことについて語り合える、同士、家族を持てたら、どんなに幸せか。

    こんなことに思いを巡らせられたこの本に感謝。
    また忘れた頃に読み直し、また違う感想を感じたい。

  • いい大人が、吸い込まれるように読みました。中学生あるいは高校生で出会っていたら、心に響くところが更に輝いただろう、と思います。文章や描写の美しさも魅力で、漫画でなく本で読んで欲しいと感じます。

  • ベストセラーと聞くと避けがちな天邪鬼だが、本書は読んで良かったと心から思う。
    コペル君の感受性、若き叔父さんの知性、周りの人達の現実感、どれもが惹きつける。
    本文の素晴らしさを、著者あとがきと丸山真男の追悼文が、更に引き立てている。
    戦争に向かう世の中にあって、これだけ人間の真理をわかりやすく綴って残した著者に感謝である。

  •  アニメ化された物語が現代の若者にベストセラーに!ジブリ映画になる予定も!読んでみて納得した。昭和10年代の暗い時代を生きる中学1年の綽名コペル君。叔父さんがコペルニクスから名付けた綽名が学校の級友たちにも広まった。特異な時代でありながら、人間の本性を示す多くの逸話が時代に関係せず、子供が大人に成長していく上での出来事を重ね合わせてくれ、きっと多くの現代の若者たちも共感するのだと思った。上級生の暴力に立ち向かう北見君たちを臆病のゆえに裏切ってしまうコペル君の悩みの場面はあまりにも真に迫って迫力に富む。父親の大金持ち、陸軍の大物、そして浦川君、水谷君、水谷君の姉かつ子さんなどとの青春が麗しい!!

  • コペル君みたいな人が貸してくれたので、読んでみました。
    戦前に書かれたものですが、現代でも多くの思春期の方に是非読んでいただきたい。そして大人が読んでも学ぶことが多い本だと思います。
    そういう意味では一過性のブームにだけはなって欲しくない、これからも読み継がれてくれたらと願います。

  • 後悔のおかげで、人間として肝心なことを心にしみとおるようにして知れば、その経験は無駄じゃあないんです。

  • 叔父から「コペル君」というあだ名をもらった15歳の少年は、家庭や学校での経験を通して様々な真理を学んでいく。そんなコペル君が話す日常に、叔父はそっと耳を傾け思いをノートに綴る。

    デパートの上から眺めた際に気付いた人間の小ささ、学校では内向的な友人が自宅で見せる頼もしい姿、友人のお姉さんから聞いたナポレオンの偉業など、コペル君は見たもの聞いたものに素直に驚き、感心し、吸収していきます。
    日々の生活なかで楽しいことや嬉しいことも経験しますが、同じくらい分からないこと、理解ができないことを目の当たりにしたり、時にこの世の終わりだと感じるほど落ち込むこともあるでしょう。ではそういった事態に直面したときにどうすれば良いか。
    大切なのは「その次にどのような行動をおこすか」です。
    目を逸らすのではなく向き合い、その物事に対しよく考え、最善を尽くす。そういった行動の根底には「自分はどういった人間になりたいか」「社会のなかでどう生きていくか」といった大きなテーマに直結していきます。
    コペル君というひとりの少年の成長期を軸に描かれた青少年向けの易しい本ですが、大人となった今でも心に残るフレーズとたくさん出会えました。

    「自分はどう生きるか」――この先も数多く待ち受ける選択の場面で、都度頭によぎることになるであろう心強い問いかけとなりそうです。

  • これは令和の世に読んでも全く廃れていない思想。
    しかも物語仕立てで読みやすい。
    家に置いて、将来娘たちも読んでくれるといいな。
    新年早々、身の引き締まる思いです。

    以下メモ

    自分中心の天動説で生きていると大切なものが見えなくなる。

    言われた通り、教えられた通りやっているだけでは立派に見える人にしかなれない。
    大切なのは自分の判断基準を持つこと。
    だから自分自身で心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことくれぐれも大切にしなくてはいけない。

    当たり前のことをどこまでも追っかけて考えていくとわかりきったことなんて言えないことにぶつかる。

    自分は何を作り出しているか
    世の中に何を与えているか
    生み出している人は受け取る人より肝心な人

    一生のうちに出会う出来事はみんな一度きりのもので二度と繰り返すことはない
    取り返しのつかない後悔もあるけれど、その経験から肝心なことを知れば人生に深みが出る
    だからどんな時も絶望してはいけない

    不幸や苦痛は本来あるべき姿や余計な見栄、無駄な欲望を教えてくれる

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著者プロフィール

編集者・児童文学者。1899(明治32)年〜1981(昭和56)年。
雑誌『世界』初代編集長。岩波少年文庫の創設にも尽力。


「2017年 『漫画 君たちはどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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