- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003316818
感想・レビュー・書評
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NDC 310
「今から60年前の日本は、朝鮮や台湾を植民地支配し、中国の東北地方(満州)を奪い、華北から華中へと戦火を拡大していた。国をあげての戦争に日本国民は動員され、それに異を唱えることは許されず、治安維持法によって国民の言論や出版の自由は制限されていた。そんな中、逮捕される危険を承知の上で、当時の日本の政策に批判を言い、『東洋経済新聞』に多くの持論を掲載したのが石橋湛山である。その思想は自由主義に属し左にも右にも偏ることのないものであった。」
(『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)
明治四四年から敗戦直後まで,『東洋経済新報』において健筆を揮った石橋湛山(一八八四―一九七三)の評論は,普選問題,ロシア革命,三・一運動,満州事変等についての論評どれをとっても,日本にほとんど比類のない自由主義の論調に貫かれており,非武装・非侵略という日本国憲法の精神を先取していた稀有なもの.三九篇を精選.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
急激にはあらず、しかも絶えざる、停滞せざる新陳代謝があって、初めて社会は健全な発達をする。人は適当の時期に去り行くのも、また一の意義ある社会奉仕でなければならぬ。『石橋湛山評論集』
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(山東省ドイツ権益の獲得。21か条(1915)を受けて)(英米仏など)は日英同盟の破棄を手始めに、何国かをして、日本の頭を叩かせ、日本の立場を転覆せしむるか、それとも連合して日本の獲物を奪い返す段取りに行くのではなかろうか。その場合は、今回得た物の喪失だけでは到底済まず、一切の獲物を元も子もなく、取り上げられるであろう。これ吾輩の対支外交を以て、帝国百年の禍根をのこすものとして、痛憂おく能わざる所以である。1915
1921 四カ国条約、日英同盟の破棄
1922 九カ国条約、山東省、旧ドイツ権益の喪失 -
石橋湛山 政治評論集。軍備全廃と非侵略の絶対的平和主義の立場。正論だと思うが、あまりに理想的で、著者に政治外交のリーダーを託すことは 危険な気がした。
長期的な理想は こうあるべきだと思う。しかし、理想を求めるあまり、軍備を否定し、各国の利益を無視する姿勢は 国際関係の中では、何も動かない状況に陥るのではないかとも思う
日本防衛論
*軍隊により日本を防衛することは不可能〜世界のどこの国の軍隊より強大でなければいけないから
*軍備の拡張は、国力の消耗〜国防を全うできないばかりでなく、国を滅ぼすことになる
*自衛と侵略は区別できない〜自衛軍備しか持たないはずの国々において戦争が発生している
*原子力兵器の発達は 人類の滅亡を意味する
太平洋戦争の終了=更生日本の門出
*原子爆弾の出現は 世界のあらゆる兵器を無効ならしめた
*日本は世界平和の戦士〜ここに更生日本の使命
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新書文庫
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ずっと積んでいたが、「東洋経済」のアーカイヴが電子化されたのを販売する立場になって、思い出して読んだ。自由主義の人、というのは聞いていたが、想像以上に一本筋の通った評論を貫いた人だった。あの時代の渦中にいて、植民地不要論や軍備全廃論を堂々と唱えていることに驚くし、その炯眼は素晴らしい。婦人論や綱紀粛正の行き過ぎを戒める論はそのまま現代に通じそうだ。他国のナショナリズムに対する態度にも心打たれる。戦時中、新聞より雑誌には弾圧は緩かったとも言われるが、レトリックを駆使し持論を展開したその努力も大きいのではないか。
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石橋湛山(1884-1973)の評論・エッセイを選び文庫に編集したもの。論調は(他意なく)自由主義で一貫している。そしてたいしたことではないが、文章が明快なので(時代や題材の割に)とても読みやすい。
【メモ】
・石橋湛山記念財団 略歴
<http://www.ishibashi-mf.org/profile/index.html>
【目次】
凡 例 003
Ⅰ 急進的自由主義者の出発1912-1913 009
1 問題の社会化
2 国家と宗教および文芸
3 哲学的日本を建設すべし
4 愚なるかな神宮建設の議 ほか
5 維新後夫人に対する観念の変遷
6 犬養・尾崎両氏に与う
7 我に移民の要なし
Ⅱ 大正デモクラシーの陣頭で 1914-1923 049
1 青島は断じて領有すべからず
2 禍根をのこす外交政策
3 代議政治の論理
4 帝国議会を年中常設とすべし
5 過激派政府を承認せよ
6 騒擾(ソウジョウ)の政治的意義
7 鮮人暴動に対する理解
8 罷業を悪まば ほか
9 一切を棄つるの覚悟
10 大日本主義の幻想
11 白蓮夫人の家出 ほか
12 死もまた社会奉仕 ほか
13 精神の振興とは ほか
Ⅲ 政党政治への提言 1924-1931 133
1 婦人を社会的に活動せしめよ
2 行政改革の根本主義
3 市町村に地租営業税を移譲すべし
4 直訴兵卒の軍法会議と特殊部落問題
5 共産主義の正体
6 戦死者を思え
7 近来の世相ただ事ならず
Ⅳ 戦時下の抵抗 1931-1945 175
1 満蒙問題解決根本方針如何
2 綱紀粛正主義者の認識不足、我が政治の良化をかえって妨げん
3 世界解放主義を掲げて
4 ドイツの背反は何を訓えるか
5 いわゆる軍人の政治干与
6 百年戦争の予想
7 敢えて婆心を披瀝し新内閣に望む
8 ベルリン最後の光景
Ⅴ 戦後日本の進路 1945-1968 255
1 更生日本の針路
2 プレスクラブ演説草稿
3 池田外交路線へ望む
4 日本防衛論
注 285
解 説(松尾尊兌) 293 -
現状認識の確かさとぶれない信念の人。すごい。
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石橋湛山の評論文。記者であるので、その文章力はもちろんだが、時代を見抜く力がすごい。
現代に彼が生きていれば、どのような視点でもって日本の外交を論じているか・・・。 -
政治のことはよくわからないし、どうにもサッパリしませんが、石橋湛山は読んでるんでしょうね?!とセイジカに質したくなること多々。