- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003320419
感想・レビュー・書評
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中国の最古にして最大の教典である『四書』のうちの一冊である「孟子」。
これは今から約2500年前に生きた聖人君子である孔子の教えを軸に展開した、今から約2300年前の孟子の言行録。
国を治めるにあたっての心構えや倫理を、語り口調によって伝えている。
国は人であり、
この考え方は国の統治者のみでなく、
一個人に置き換えても、今を生きる私たちにも応用でき、普遍的な真理が書かれてある。
人間は本来、性善であり、
そのことを自覚して自身の身の向上に励めば、
天下をも治めることができる。
このように考え勉学に励むことは、人生においては効果的な意義ある考え方だろう。
現在では、遺伝学的見地からいえば、人間の全てが必ずしも平等かつ同等に性善的なパーソナリティを持っているとは言い難い。
だが、性善説的な立場に立ち、身を修めていくことは確実に自身の向上につながるであろうし、他と同時に幸せを享受していく重要性もこの著書では強調されており、歴史のふるいにかけられ残った名に恥じぬ、素晴らしい本だ。
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論語に引き続き再読。
孔子が穏やかに道を説くのに対し、
「結果が出ないのは方法が間違っているからだ」
「王道政治を行えば必ず民衆は付いてくる」
「出来ないのではなくやらないのだ」
と、孟子は鋭く熱弁を振るう。
一歩間違えば精神論になってしまうが、
徳川家康の「堪忍」と吉田松陰の「狂」の
バックボーンとなったのはこの書である。
こういう時代だからこそ孟子を信じよう。 -
口語訳が秀逸である。