回想の明治維新―一ロシア人革命家の手記 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003344118

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  • メーチニコフ 「 回想の明治維新 」 ロシア人革命家が明治維新をどう捉えるかを 日本人の気質から整理した本。読みやすく、先入観なく、上から目線ではない文章が印象的。

    著者の見解は「明治維新は 土着的革命であり、欧米の介入によるものではない」というもの。明治政府が開国した理由は、それまでの中国から欧米へ目を向けるため

    「金髪好きの日本人」には笑った

  • 1987年刊。
    著者は維新期日本での「お雇い外国人」の経歴を持つ、露ナロードニキ派(民衆派?)革命思想家。訳者は同志社大学助教授?。

     お雇い外国人として滞在した明治維新期の日本の見聞録。
     日本国内の実相(食事・衣服<紺色着物が蔓延する一方、浴衣等の美しさも>・芸能<歌舞伎等の大衆演芸など>)と、日本人の特性(就中、教育に価値を置く国民性)の情報に加え、横浜居留地の外国人の栄枯盛衰(特に当時頻発した不良外国商人が破綻する様)や一部のお雇い外国人の能力・性格面の不出来(殊に露人のそれには舌鋒鋭い)が開陳される。

     しかも、著者が(その勉学履歴と習得経緯は不明)知り得た日本史の素描もして見せる。
     勿論、所々の間違いはあるが、概ね容認できる内容というのが凄いし、ロシア向け(欧州向け)としては充分な内容。
     この偉業、すなわち、極めて短期間にかつ、歴史研究の進展しない維新期にどのようにこれらを習得したのか。日本語習得の素早さは勿論だが、一国史をここまでまとめ上げるのは並の業ではなさそう。

     しかも、観察眼の細やかさには舌を巻く。
     例えば、陸蒸気に群がる人々の模様、例えば、訪問した日本人高官宅の煙管盆の芸術的な出来栄え。これらを噛んで含めるように説明する様は見事という他はない。

     ところが、彼は世に出なかった。つまりボルシェビキ派ではなかったゆえに、歴史の中に埋もれていたのだ。
     そういう本著を掘り起こした訳者の労にも拍手。これぞ、外国・外国語研究をしている学徒の鏡ともいうべき営為であろう。

  • 「明治時代初め頃の日本の人々」が“外来者”、“外国人”の「客観的目線」、しかも「“思い込み”のような、流布していたイメージを排した目線」で語られているのは大変に興味深い。また、現在でも実は然程変わらないかもしれない、「“日本”に出くわした」という場面での「ロシア人なりの“着眼点”」のようなものが、何となく判るような感じなのも面白い。

    こうした、時を経ても価値が損なわれ難い一冊…一読の価値が在る!!

  • 2013.9.28-2013.10.25
    明治維新が外国人の眼にどう映つたかを知るのに有用な本。多くの山師的な外国人がゐたのが分かる。
    著者のメーチニコフ自身は、非常に興味深い人物。

  • ¥105

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