方法序説 (岩波文庫 青 613-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003361313

感想・レビュー・書評

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  • 簡潔にしてわかりやすい結論

  • デカルト著、谷川多佳子訳『方法序説(岩波文庫)』(岩波書店)
    1997.7発行

    2017.10.10読了
     方法序説は三つの科学論文集の序文という位置付け。当時の学問に失望して、自らの真理を追究するための普遍的な方法を編み出す。その規則は7,現在からみれば、当たり前に思えるのだが、信仰によって真理に到達できるとする当時としては、最先端の考え方だったのだろう。そして、その方法をもって、有名な「我思う、ゆえに我あり」という哲学の第一原理や実体二元論、明晰判明の原則、神の存在証明を行っていく。その後の哲学や学問に影響を与えた人で、かなり怪しい部分もあるが、当時の人の水準を知る意味でも面白い。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000002625777

  •  デカルトが考える学問へのアプローチと生き方を述べた本である。言葉選びが難しく、解釈するのが難しい。主観的な話が多く、万人がより良い人生を生きるために書いた本ではないと感じる。自分語りの一種ではないだろうか。

     ただ、デカルトは「われ思う、故にわれあり」の名言を残した有名な人物であるので、参考にはなると思う。

     自分なりに噛み砕くと、デカルトは以下の意見を述べている。
    ・不要なことで他人に時間を奪われるべきではない
    ・自分が信じる道を行く(芯を持つ)
    ・思想や発言はどんなに有能な人に伝えても相手が自分なりに解釈を曲げてしまう
    ・人から教えてもらうより自分で感じる方がより正確である

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=28924

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA31335175

  • 「我思う故に我あり」で有名なデカルト著。
    ちなみに「我思う故に我あり」は本書で登場する。

    100頁ちょっとの物理的には薄い一冊。
    ただ内容的には1回読むだけでは吸収しきれないはどの分厚い内容。

    今回読んだ中で一番面白かったのは、
    「真でないいかなるものも真として受け入れることなく、一つのことから他のことを演繹するのに必要な順序をつねに守りさえすれば、どんなに遠く離れたものにも結局は到達できるし、どんなに隠れたものでも発見できる、と。」
    という一文。

    この一文は、4つの規則という形で記載されているけど、1つ目の規則である「わたしが明証的に真であると認めるのでなければ真として受け入れないこと」は中々出来てないので意識していく。

    400年近く前にフランスで書かれた本に気付きをもらうというのはとても面白い。

  • PDCAのことが書いてあった^^;

  • 有名なので読んでみました。
    私には難解で読むだけで理解出来ない部分の方が多かったです。

    デカルトの第三の格率は仏教っぽいと感じました。高名な人は考えること同じにるのかな?
    「あらゆる執着を脱する」

    健康は最上の善と言うのはいつの時代も誰もが思うところですね。

    我思うゆえに〜は読んで「ああこの人か。」って思った次第です。

    デカルトってフランス人なのも初めて知りました。

    地動説と同時代という事も

  • 非常に論理的で洗練されている。まさに数学的というか科学者的な思考法。

    第一部
    諸学問の検討

    第二部
    学問や思想改革のための4つの方法
    ・名証
    ・分析
    ・総合
    ・枚挙

    第三部
    道徳(モラル)、実生活の指針に関する、3つの規則

    第四部
    方法的懐疑→神・人間の存在の証明
    cogito, ergo sum(我思う故に我あり)

    第五部
    世界論・宇宙論

    第六部
    これからの学問の展望

  •  前に読んだ時はピンとこなかった。有名な、我思うゆえに我あり、にとらわれていたと思う。その解説にかな。

     反知性主義の、結論ありきのこじつけがどうしようもなくなっている状態で、それに対する話と考えることもできる。理由を落としたところから、知識を再構築して、私は自分で考える。他者の言説を鵜呑みにしない。そんな環境でも自分の方向性を奪われないためにどうしたらいいか。大きくまっすぐ行こう。

     また真似のできない天才がいったことと考える自分もいる。才能と意欲と、処世術を感じる。デカルトに同意できる僕は自分を弁護している。だとすると僕は、能力がこれといってないくせに、天才のふりをしてきたのではないか。思わなければ存在させてもらえるのではないか。

  • 真理のための4つの教則
    【人間に知られ得るものは、論拠から論拠への長い論理の鎖で、連続し合っているのであろう。そして、そこに至るための四つの教則は、(1)明証的に真、および明晰かつ判明な現前、(2)分析と分割、(3)総合と演繹、(4)枚挙による再検査である。(ルネ・デカルト(1596-1650))】

    「論理学を構成させた多くの教則の代りに、守ることをただの一度も怠らぬという堅固一徹な決心をもってしたならば、次の四つで十分である、と私は確信した。
     第一は、明証的に真であると認めることなしには、いかなる事をも真であるとして受けとらぬこと、すなわち、よく注意して速断と偏見を避けること、そうして、それを疑ういかなる隙もないほど、それほどまで明晰に、それほどまで判明に、私の心に現れるもののほかは、何ものをも私の判断に取りいれぬということ。
     第二は、私の研究しようとする問題のおのおのを、できうるかぎり多くの、そうして、それらのものをよりよく解決するために求められるかぎり細かな、小部分に分割すること。
     第三は、私の思索を順序に従ってみちびくこと、知るに最も単純で、最も容易であるものからはじめて、最も複雑なものの認識へまで少しずつ、だんだんと登りゆき、なお、それ自体としては互になんの順序も無い対象のあいだに順序を仮定しながら。
     最後のものは、何一つ私はとり落とさなかったと保証されるほど、どの部分についても完全な枚挙を、全般にわたって余すところなき再検査を、あらゆる場合に行うこと。
     幾何学者らが、かれらの最も骨の折れた証明にたどりつくために、つねに用い慣れた、実に単純で容易な、論拠から論拠への長い鎖は、何かのおりに私にこんなことを考えさせたのである。人間に知られうるようなものは何から何まで、これと同様の仕方で連続し合っているのであろう、そうしてそれらのもののうち真ならぬものを真なるものとして決して受けいれることなく、このものからあのものを演繹するに必要な順序を守りつづけさえするならば、最後まで到達できぬほどの遠くにあるものも、発見できぬほどに隠されているものも、断じてありえないであろうと。」

    • 命題集 未来のための哲学講座さん
      デカルトの第一格率
      【デカルトの第一格率:理性による判断が決意を鈍らせ不決断に陥らせるような場合には、私を育ててきた宗教、聡明な人たちの穏健...
      デカルトの第一格率
      【デカルトの第一格率:理性による判断が決意を鈍らせ不決断に陥らせるような場合には、私を育ててきた宗教、聡明な人たちの穏健な意見、国の法律、慣習に服従することで、日々の生活をできるだけ幸福に維持すること。(ルネ・デカルト(1596-1650))】

      「ところで、自分の住居を改築しはじめるより前に、これを取り払い、多くの材料と建築家を用意し、あるいはみずから建築術を習得し、なおまた綿密にその設計図を作成したりするだけでは十分でなく、その上さらに別の家を準備し、そこで仕事をするあいだも、気持ちよく暮らせることも必要であると同じように、私のさまざまの判断において理性が決意を鈍らせているあいだも、生活はできるだけ幸福につづけてゆき、自分の日々の行動にかぎっては不決断におちいらぬようにと、三、四の格率から成るにすぎないが、私は自分のために当座の準則を作ったのである。私はそれを諸君に伝えたい。
       第一の格率は、神の恵をもって私を幼時から育ててきた宗教をつねに守りながら、またその他のすべての事においては、私がともどもに生きてゆかねばならぬ人々のうちの、最も聡明な人たちが実践上では一般に承認する最も穏健な、極端からは最も遠い意見に従って自分の舵を取りながら、国の法律および慣習に服従してゆこうということであった。なぜというに、その当時から自分自身の意見などはこれをすっかり再検討したかったし、そういうものはいわば無視してかかったようなものであってみれば、最も聡明な人々の意見に従うに越したことはないと私は確信していたからである。」
      2022/01/08
    • 命題集 未来のための哲学講座さん
      デカルトの第二格率
      【デカルトの第二格率:日常の生活行動において最も真実な意見が分からないときには、蓋然性の最も高い意見に従うこと。そして、...
      デカルトの第二格率
      【デカルトの第二格率:日常の生活行動において最も真実な意見が分からないときには、蓋然性の最も高い意見に従うこと。そして、薄弱な理由のゆえに自らのこの決定を変えてはならない。志を貫き行動することによって、真偽の見極めと軌道修正も可能となる。(ルネ・デカルト(1596-1650))】


       「私の第二の格率は、私の平生の行動の上では私に可能であるかぎり、どこまでも志を堅くして、断じて迷わぬこと、そうしていかに疑わしい意見であるにせよ一たびそれとみずから決定した以上は、それがきわめて確実なものであったかのように、どこまでも忠実にそれに従うということであった。このことを私は旅人になぞらえたのであった。かれらが森の中で道に迷ったならば、もちろん一か所に立ちどまっていてはならないばかりでなく、あちらこちらとさまよい歩いてはならぬ、絶えず同じ方角へとできるだけ真直ぐに歩くべきである。たとえ最初にかれらをしてこの方角を択ぶに至らしめたものがおそらく偶然のみであったにもせよ、薄弱な理由のゆえにこれを変えてはならない。なぜなら、このようにするならば、かれらの望む地点にうまく出られぬにしても、ついには少なくともどこかにたどりつくであろうし、それはたしかに森の中にたたずむよりもよかろうから。さてこれとおなじで、日常の生活行動というものは多くの場合すこしの猶予もゆるさぬから、どれが最も真実な意見であるかを識別する力が私どもに無いときには、蓋然性の最も多い意見に従わねばならぬということがきわめて確かな筋道である。」
      2022/01/08
    • 命題集 未来のための哲学講座さん
      デカルトの第三格率
      【デカルトの第三格率:運命に、よりはむしろ自分にうち勝とう、世界の秩序を、よりはむしろ自分の欲望を変えよう、と努めること...
      デカルトの第三格率
      【デカルトの第三格率:運命に、よりはむしろ自分にうち勝とう、世界の秩序を、よりはむしろ自分の欲望を変えよう、と努めること。(ルネ・デカルト(1596-1650))】

       「私の第三の格率は、運命に、よりはむしろ自分にうち勝とう、世界の秩序を、よりはむしろ自分の欲望を変えよう、と努めることであった。一般的にいえば、私どもの権力の埒内にそっくり有るものは私どもの思想だけである。従って、私どもの外なるものについては最善を尽くしたのち、なお私どもの成功を妨げるものがあれば、私どもとの関係上、そのものはすべて絶対的に私どもの手のおよばぬものであると信ずるように自分を仕つけること。この格率はただこれだけで、自分には得らるまじきものを未来に得ようなどと、空しい欲望をおこさないために、つまり足ることを知れと戒めるために、十分であると私には思われた。」
      2022/01/08
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