自然宗教をめぐる対話 (岩波文庫 青 619-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003361979

作品紹介・あらすじ

宗教に合理的な基礎があるのか.知性と善性をそなえた神の存在を論証できるのか.この問いをめぐって,正統派のデメア,哲学的気質のクレアンテス,懐疑主義のフィロの三人が丁々発止の議論をくり広げた対話篇.デイヴィッド・ヒューム(一七一一‐一七七六)の多岐にわたる思想的営為のエッセンスが集約された重要著作.一七七九年刊行.

感想・レビュー・書評

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  • 面白いのだけども、ちょっと今の関心と逸れてた
    ヒュームは色々と楽しみにしてたんだけども、思ってたよりも楽しめず残念、、、

  • 敬虔な信仰を持つデメアと理論派のクレアンテス、懐疑主義のフィロの三人が神の証明として有名なデザイン論について議論するという対話篇形式の本。
    全体的には、クレアンテスが信仰ではなく理論的に神の存在を証明できるとして持ち出すデザイン論をデメアとフィロの二人が同調してやりこめるという内容なのだが、のちに指摘される「無神論者と熱心な一神論者は結局のところ神の存在は不可知であるという点において同じ見解に至る」という皮肉な話に対応しているように思える。やがてフィロが不信心者と同じ見解を持ち出してきて、神の神聖さを守ろうとする自分と180度違う考えを持っていたことにようやく気が付いたデメアは怒って帰ってしまうのだ(笑)。
    現在ではデザイン論に対する反論は進化論が主になっているが、ここでは人間と神との対比はどの程度有効なのか、また宇宙の「製作者」が単一の神的存在とは限らないこと、完璧であるはずの世界における悪の存在はどう説明されるのかという神議論的な反論が展開されている。
    神の御業と人間の制作物を比べるのが果たして適当なのかという議論の時、宇宙(世界)は人工物というより生き物、動物に似ているのではないか、というフィロの考えが良いなと思った。宇宙の起源は理性や計画によるのではなく、生殖や成長によるのでは、というのは荒唐無稽な例えという扱いだが図らずも「正解」に近づいてしまっているのが面白い。

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