排蘆小船・石上私淑言――宣長「物のあはれ」歌論 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 子安 宣邦 
  • 岩波書店
3.60
  • (3)
  • (1)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 62
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003510117

作品紹介・あらすじ

宝暦13年、34歳の本居宣長にはすぐれた二つの歌論があった。だが生涯公表されることなく、筺底に秘めて置かれた。当世和歌の現状に対し歌とは何かを問う処女作「排蘆小船」、そこでの<心に思ふこと>は「石上私淑言」で<物のあはれをしる心>ととらえ直され一大歌論を切り拓く。合せ鏡のごとく宣長思想を映しだす二作品を併載。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 内容(「BOOK」データベースより)

    宝暦13年、34歳の本居宣長にはすぐれた二つの歌論があった。だが生涯公表されることなく、筺底に秘めて置かれた。当世和歌の現状に対し歌とは何かを問う処女作「排蘆小船」、そこでの〈心に思ふこと〉は「石上私淑言」で〈物のあはれをしる心〉ととらえ直され一大歌論を切り拓く。合せ鏡のごとく宣長思想を映しだす二作品を併載。

    目次
    排蘆小船
    石上私淑言

    本の感想(オフィス樋口Booksより転載、http://www.books-officehiguchi.com/?p=16789

    この本は本居宣長の歌論『排蘆小船(あしわけおぶね』と『石上私淑言』の書き下し文である。注釈はあるものの原文のまま書いてあるので初学者には難しいだろう。文庫本ではあるが、本格的に研究した人に推薦したい本である。

  • 排蘆小船と石上私淑言の2作品が収載されているが、石上私淑言は引用の多さや日本神話の慣れない表記のため、早々に読解を放棄した。しかし、排蘆小船の方は燦然と輝く古典であり、短歌に関して初めてこの道の導き手に出会った観がある。私が短歌を作り続けた過程はまさしく孤独のそれであり、誰からも承認を受けずに、ただ自分が楽しいという一心で続けてきた所業であるが、そんな私の不確かさに光明をもたらしてくれたのが本居宣長である。この人は文章が明晰で、古文にありがちな行間を読むという曖昧さがあまりない。つまり、一読して判然と理解できる、痛快極まる文章だ。和歌の指南として空前絶後というくらい無類の出来栄えだと思う。とはいえ、本居も言うように、和歌の理論を学ぶよりも先に、和歌の傑作を読むべきであり、そうすることで和歌の雅言を我がものにすることが何より先決である。本居は、古今集、後撰集、拾遺集の三代集をよく読むべきだと勧めている。ただ、私が随喜した玉葉集は異端扱いして貶めているので、私として再検討が必要である。和歌の師匠は必要なく、ただ古歌を読めと指南しているが、その過程を踏んできた私も本居の歌論に出会ったことは何よりの宝である。

  • 2018/08/17

  • 〜読み終わってませんが~

    岡潔、林望の著作から万葉集に興味をもち、独断と偏見で読み解いていたところ、行き詰まったのでちょいと歌論でも、と手を出しました。

    意外と、古文?を苦にせず読みすすめられることにびっくり。

    脳科学的には「冷たい人」の私に、もののあわれ が理解できますでしょうかね?

全5件中 1 - 5件を表示

本居宣長の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×