正岡子規ベースボール文集 (岩波文庫 緑13-13)

制作 : 復本 一郎 
  • 岩波書店
3.50
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本棚登録 : 62
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003600436

作品紹介・あらすじ

今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸のうちさわぐかな。正岡子規、幼名升(のぼる)。転じて、野球(のぼーる)とも号す。無類のベースボール好きであった子規は、アメリカより伝来して間もないその球技の愉しさを、折りにふれ句や歌に詠み、随筆につづった。仲間と一心に白球を追う、明るく元気な子規の姿が目に浮かんでくる。

感想・レビュー・書評

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  • 俳句に興味を持ち、野球が好きで、また愛媛の大学に通ったこともあり、正岡子規のベースボール文集ということで大いに興味が出て購入した。
    子規の野球の歌では、
    今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸のうちさわぐかな
    が有名だが、
    九つの人九つの場をしめてベースボールの始まらんとす
    という歌が、プレイボールのワクワクが伝わる、とても共感する歌に思った。野球に夢中になった子規の姿が目に浮かび、面白い。

  • 「子規 ベースボール」とググってヒットした文章を雑編集にしたという感じの本。中には数頁にたったの一回「ベースボール」と出てくるだけという文もある。どれだけマニアな雑編集であることか。
    野球に熱中した子規だが、体調を崩して喀血し、バットが空を切り、球が当たらなくなって、ぱったりやめたらしい。そしてそこから「俳句分類」に没頭することになる、と。

  • 20230402
    3月30日。こりゃあ行ってみたくなるなあ by 私、なんだこの球場 by息子、などとガヤガヤ言いながらエスコン開幕戦をテレビで見、31日は、報徳学園の大逆転劇を見届けた瞬間に家を飛び出し、人生初の開幕戦を観に神宮へ。「いいなあ、なんで俺塾なのよ」と睨む息子、村上くんのHRの瞬間に「くっそ」(観たかったのに!という意味)と品のないLINE を送ってきた娘を軽やかに無視し、快勝したゲームを堪能し、共に観戦した友と渋谷まで歩いた。当たり前のように野球の話をしながら。

    子規さん、あなたの愛したベースボールは、何者でもない私なんかにもしっかり届き、生活に弾みをつけてくれています。どんなに楽しいスポーツか、どんなにあなたがのめり込んだかを書いて下さった文章の、特に心惹かれた箇所に印をつけました。また本を開くたびに、お話しさせてくださいね。

  • 図書館で借りた。
    岩波文庫を読んでみようシリーズ。
    正岡子規が歴史上初めて「野球」という言葉を記したとして、野球殿堂入りしているのは有名な史実。その正岡子規の野球に関する様々な文集をまとめた本。
    文集とは言っても、100頁ちょっとなので、岩波文庫の中で特に薄い。

    子規が「野球」を「の・ぼーる」と読ませていたのは知っていたが、それが自分の名前(幼名)をもじっていたのは知らなかった。
    さらに、野球が好きだったというレベルではなく、自分でも「ボール狂」と言うほど野球バカだったとは知らなかった!正岡子規の野球愛が伝わってくるような文集。
    当時の用語や言い回しを知れる貴重な資料という側面もあり、興味深い一冊だった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/778199

  • ベースボールに於いては"球"こそがその遊戯の中心であり、プレイ中の球は常に動いているから遊戯の中心も常に移動している。という記述が野球の本質、またはその魅力の真髄を見事に言い当てている。「球戯を観る者は球を観るべし」言われてみればまさしくそうだ。野球競技に於いての主役は選手ではなく、ボールだったのだ。
    野球俳句・野球短歌の無邪気に愉しむ姿も微笑ましい。

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