- Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003725016
作品紹介・あらすじ
劇作家としても小説家としても功成り名遂げた六四歳のモーム(一八七四‐一九六五)が、自分の生涯を締めくくるような気持で書き綴った回想的エッセイ集。人間、人生、文学、哲学、宗教等の多岐にわたる話題が、モーム一流の大胆率直さで語られる。
感想・レビュー・書評
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小説家、劇作家として成功を収めた作者が老年に差し掛かり、これまでの人生の集大成として書き上げたタイトル通り人生の「要約」となる一冊。
というと格調高く聞こえるが、内容は暴露本のようなエッセイ。個人名をバンバン出しながら「あいつは大したことない」と腐している。どうせもうこれから老後だし誰に対しても忖度する必要は無いわい、と開き直って書かれてるのが分かる。
だけどこれを書いた後、30年も生きながらえるというのが面白い。
だけど文章力によるものなのか、読んでいて嫌な気分にはならないし傲慢だなとも感じない。むしろ真剣に自分と向き合って書き上げてるなという印象。
またいつか読み返したい一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間観察の極み、人の清濁併せ持つ感覚や一貫性のなさをあらゆる角度から評価してる。その人間観察の結果を小説で解き放つ…なんと面白いことか。
この本を読んで、小説家ってすごいなと思ったし久々に小説読みたくなった -
劇作家についての話が多い気がした。
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モームは最後に「真、美、善」の価値に言及しているが、「美」の創造者である芸術家に対する意見がかなり辛辣なことに驚いた。
芸術家について、「この連中には、尊敬すべき点はほとんどない。虚栄心が強く、自己満足の輩である。」と。「創造者は、内なる自己を表現したくて堪らぬという衝動に突き動かされて作品を作るのである。作ったものに美があっても、それは偶然だ。」は、その通りなのだが、作家も多少同じ部分を持ち合わせているはずだと私は思う。
この考えからゴーギャンを取り上げるに至ったのか、それとも「月と六ペンス」を書いて益々そう思うようになったのか。絵画鑑賞好きとしては気になってしまった。 -
解説ではかつての大学入試のための必読書であったらしい。前半の部分がどのように文章を書くかということで多く引用されたことだと思われる。
中盤になってくると劇の脚本家としての考えが入ってきた。さらにその後では自分の小説の状態、旅行などの話もある。それから最後には哲学書を読み漁って考えたこと、美、愛、善についてである。自分の意見で哲学者を批判分析することが新しい視点であり、多くは哲学者の解説に過ぎない現在、貴重な考えである。 -
大作家で波乱に満ちた人生を送ってる人の回想的エッセイが面白くない訳がないっていう話。
所々、冗長気味な部分もあるし、自分の不勉強で知らない作家等の名前も出て来たけど、それでも興味深く読めた。
ただ、人生や哲学や宗教等の普遍的な話の割合が多くて、もう少し自分の半生や旅やらの事が書いてあるのを期待していたので、その部分は残念だった。
人生に意味をもたらすのは、「真」「美」「善」である。
人をより良くするのは苦悩ではなく努力。 -
ハチャメチャな所もあるけれど、モームという生きた人間とその個性、魅力がひしひしと伝わってくる。読み込まずとも「わかる」ところが大半、いくら読んでも「わからない」ところが少し。
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要約すると、
「自分の人生を紡いでいけ」 -
文学
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2014 7/14読了。Amazonで購入。
最近はまっていたサマセット・モームの、文学論・・・というか作家論・作劇論のような、単なるエッセイでもあるような、取り留めもなく書かれたような本。
最後の哲学に関する部分(それは別にモームから知らなくてもいいかと思った)以外、ざーっと目を通した。
いくつか好きなフレーズがあったので読んで良かったと思う。