奉天三十年 下巻 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004000266

感想・レビュー・書評

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  • 上巻が可也波瀾万丈だったのに対し、下巻は理論的、抱負的内容が多かったので、上巻と比べると少し退屈な感は否めない。それでも著者の鋭い観察眼が随所に光っている。書籍なので、盛っているところも多々あろうが、仮に半分が虚構だとしても、充分伝説的(にすばらしい)内容。
    この人たちの生きた時代はまさに宗教の時代。信じる信じない、教義の良し悪しに拘らず、宗教が人を動かし、人も宗教に救いを求めた。良き時代でもあり悪き時代でもあった。ある意味では羨ましいなとも思う。では統一教会に身を投じよう、エホバの証人に熱中しよう、とはならないが。

    袁世凱は歴史教科書では、身の程知らずに皇帝になろうとして失敗し、失意の中に死んだ、と紹介されていて、すごく残念な一発屋みたいな印象を持っていたし、魯迅の著作にも袁世凱について扱き下ろす文章がみられるが、『走向共和』という歴史ドラマでみた袁世凱は、とても世故にたけ、事務能力も優秀で、頭脳の回転も速く、しかも思想が開けていた。そして本書でも概ね其方向で紹介されて居るのが興味深かった。人を暗殺したりというのは袁世凱に限ったことでなし、特にあの時代の乱れた世の中ではある程度はやむを得ない。個人的に受け入れられないのは皇帝即位式のときの龍服。はじめてみたときは冗談かと思った。

  • プロテスタントの宣教師にして、医者であった著者が奉天に在った日々を綴ったもの。下巻は義和団の乱から辛亥革命前後まで。市民の目から見た、中国人の文化の変容、日露戦争、辛亥革命等について生き生きと書かれている。上巻同様、旧字体や仮名づかいを改めずにそのまま復刊しているので、古い書籍に、あまり馴染みがない読者には読みにくいかもしれない。

  • [ 内容 ]
    十九世紀末から二十世紀初頭にかけての満州は、日清戦争、拳匪事変、日露戦争、民国革命など、世界的な大事件の舞台となった。
    本書は一八八三年、この満州に伝道医師として渡来し、その後老齢で故国に帰るまで四十年間献身的に満州人のために尽くして民衆の信望を一身にあつめたスコットランド人クリスティーの自伝的回想記である。

    [ 目次 ]


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