- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004201878
感想・レビュー・書評
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思想史家の家永三郎が、古代から江戸時代に至るまでの日本の文化史を新書一冊の分量で概観することができる本です。
全体を通して平易に書かれており、日本文化史の概要を得るのに有益な本だと思います。ただし、マルクス主義歴史学の影響を感じるような叙述がところどころ見られます。政治や生活といった領域と比べると、文化史という領域ではマルクス主義歴史学の偏りがとくにめだって現われるように感じるのですが、本書もその弊を完全に免れているとはいいがたいのではないかという気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「昔の学者さん」って感じの堅苦しい文章だった。
内容理解より文章理解に時間をくってしまうのが難点でしたが、充実した本でした。
もうちょいフラットな文章にしてたら、減った分の文字数をもっと沢山の資料の紹介に回せられたんじゃないか?とは思う。ところどころに入る著者の思想もいらないんじゃないかな?内容がいいだけに、そういう意味でもフラットな本であって欲しかった。 -
読み方含め知らない単語が多く、調べながら読んだら時間がかかった。様々な日本文化の発展について、フラットな視座からの考察、批評が書かれているように思える。ある時期の文学について、そこまで言っちゃう?と言いたくなるような酷評も面白い。
文化的側面からの日本史、もっと深く調べてみたいと思える良本だった。 -
購入: 不明
廃棄: 2022年4月22日 -
やはり、面白い!
歴史上の事柄であれ、
歴史上の人物であれ、
そのコトやモノのことだけではなく、
その時代に発生したもの
その時代を覆っていたもの
その時代の海外の文化の潮流
その時代だからこそありえたもの
それらを踏まえた上で
そのコトやモノを考察していく
その思考がとても、面白い!
十何年ぶりに
読み返したのですが
やはり、面白い!
巻末の「索引」を改めて眺めてみる、
やはり、面白い! -
日本は朝鮮半島に進出して、弁辰の地を領有し、韓民族による政治統一を抑え、任那に官家を置いてこれを統治し、さらに民族国家を形成している新羅・百済両国をも服属させたのである。
p.22
これほんまに?
『万葉集』の和歌はたしかに伝統芸術であるが、不定型の耳できく歌謡を、五七調定型の目で読む長歌・短歌の形にまですすめたのは、五言または七言の定型をもつ漢詩の影響なくして考えられたであろうか。
p.74
五言七言と五七五のあいだに何か関係はあるかと思ったことはあったけど、ルソーやったかの著作にもあるように、言葉は音楽と関係が深いだろうし、そうなると何らかの旋律や調子がウタにはもとからあったのだろうと思う。
大野晋がタミル語との関連性を説く中で、タミル語にも五七五の調子で読まれたウタがいくつもあると書いていたが、タミル語から来たかどうかはともかく、五七五は五言七言よりまえにあったのではないかと思う。そもそも中国のそれは、五言か七言かで、五言と七言が同じ詩の中にでてくるわけではない。
日本素晴らしい、日本一番、という昨今の風潮の中ではともすると客観的に日本を見つめ直すことの大事さを忘れがち。教科書や他の書籍などで良いように捉えられている文化や所謂偉人についても違った角度から考察されており、ときにかなり辛辣に批評をしているところが、人によっては受け入れがたいかもしれないが、言っていることは至極真っ当。ただ、部分的にそれが行きすぎていたり、どうしても筆者個人の政治的思想に偏った見方をしていたりするところもあり、そこは読む側が時代背景や周辺知識をどれくらい理解しているかによると思う。
とまれ、内容自体は全体的にはやはりとても啓蒙に富んでおり、啓発されることが少なくなかった。 -
著者の知識の広さに驚きながら、難しいところは飛ばし飛ばしですが、とにかく一気に読み切りました。「はじめに」に書かれているとおり、高い価値を持っているものとそうでないものを的確に見分けるという姿勢が貫かれています。真実追及への努力をゆるめない著者の信念が伝わってくるようでした。
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[ 内容 ]
現代の文化的創造は、歴史の真実に正しく立脚することによってはじめて可能となる。
著者は、原始いらいの日本の文化の流れを、その担い手、文化的伝統の形成過程、海外の文化との交流などの視点からとらえ、その中から私たちが二一世紀に向けて真に継承すべきものを明らかにする。
英訳されて海外にも広く紹介された旧著の全面改訂版。
[ 目次 ]
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
1999.04.07 (wed) 19:52 [一時間20分の安楽]より